The last trump〜最後の薔薇〜
□03-選ばれた駒-
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×月×日18時
君達はクイーンに選ばれたナイト
記した日時にこの場所へ
クイーンに会うために、正装してくるように
ジョーカー
――――――
放課後、部室の机に置かれた真っ白な封筒に黒い薔薇が描かれた招待状。
その変な招待状と同封されてきた地図。
何かのイタズラかと思ったが、なぜか捨てることもできずにいた。
「精市。」
「蓮二。」
「?これは?」
「ここにあったんだ。」
近くにいた蓮二も、変な招待状を覗き込むと眉間に皺を寄せた。
『君達』というのは、どういうことだろうか?
テニス部全員?それとも、レギュラーだけ?
全国大会を控えたこの時期に、一体なんなのだろう。
「精市、裏に名前があるぞ。」
「え?」
招待状の裏を見れば、『ナイト』と記された下に俺達レギュラー8人の名前が書かれていた。
『君達』とは…レギュラー8人のことか。
「精市、どうする?」
「…レギュラーを集めてくれるかい?」
この不思議な招待状を受け取った時から、時計の針は回り出したのかもしれない。
――――