恋歌の準備をしよう
□Kiss.2
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「おい、女。今なんて言った?」
「俺様男って言ったのよ。
あ・と・べ・け・い・ご。」
「は…??」
コイツ―跡部の名前を言ったら、さすがの跡部も驚いた。
「なんで、俺の名前…」
「別に驚くようなことじゃないと思うけどね。」
「「なに?」」
私は話してやった。
というか言ってやった。
ここの世界は、私の世界では漫画の世界だということ
私は違う世界から来たこと
起きたらここにいて、私は何が起きたかよくわかっていないこと
私は、違う世界の住人だということ…
すべて話し終わった後の二人の表情というと、信じられないという感じだった。
口を開いたのは、跡部だった。
「はぁ…おい宍戸、このチンチクリン意味わかんねぇ。」
「チンチクリンて失礼ね!」
「どう考えてもそんな話信じれるか。」
「何よ、俺様のくせにー」
「あーん?んなこと言うのはこの口か?」
「いひゃーい!!!!」
跡部に頬を摘まれ、伸ばされた。
千切れる!!千切れるから!!
「ここへ来たキッカケでも話せば、少しは信憑性ってもんがあるはずだ。」
やっと離してくれた跡部は、そう言ってきた。