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□照れ隠し、んなもんない
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「ねぇ、キョウヤ」


「あ?」


「なんでキョウヤって私のこと名前で呼んでくれないの?」


「……はぁ?」


「いや、呼んでくれるときもあるけどさ。ほとんどてめーとかお前とかばっかじゃない」


「……ふん。くだらん」


「……ですよねぇ」


私はそういって、お茶をすすった。


あぁ、早く銀河たち帰ってきてくれないかなー。


なぜか部屋にキョウヤと二人きりというこの状況。
キョウヤは私といるときは無口だ。無口、というより、機嫌が悪いというかなんというか……
仲間、と思われてるとは思うんだけれど、好かれてるか好かれていないかといったら、たぶん好かれていないだろう。


「銀河たち遅いねー」

会話が途切れて、私が話題を出しても、キョウヤは無視をするか、軽くあしらうか。

けっこう悲しいものだよね、こういうの。


「はーあ」

思わず大きな声でため息をつくと、突然キョウヤが立ち上がった。
私はびくりと肩を震わす。
キョウヤはゆっくりと私の元に近づいてきた。

「なっなによ」

キョウヤは私の後ろの壁に手をついて、椅子に座っている私の目線と同じぐらいに身を屈め、私の顔に近づく。
私は後ろにたじろいたが、壁がそれを制した。


「キョ……」


「まどか」


至近距離で囁かれる私の名前。
キョウヤは不敵に笑う。


「これで満足か?」


そういうと、キョウヤは私の側から離れる。


「顔、真っ赤だぜ?まどか」


「……からかってるでしょ」




照れ隠し、んなもんない



(たっだいまー!!)
(あれ、まどかちゃんどうしたの?顔真っ赤だけど)
(キョウヤさん、なんかすごく嬉しそうっすね)

(まあな。こいつが……)
(にゃー!!キョウヤのバカー!!)



end
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