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□レンアイ感情2
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※あてんしょん※
前回と引き続き、若干のエロを投入させたリコカプ短編集です。
大丈夫だよ、という方のみどうぞ。














1.森リコ
誰だろうと思う。
私の目の前にいるこの人は、誰なのだろうと思う。

「監督さん、もうちょっと足開いてくれると嬉しいな」

薄暗い部屋。ここは、どこ?
手が、動かせない。体の後ろで両手首がきつく縛られているのがわかった。
助けを求めようと声を発する。

「ふーっ!!ふううっ!!」

口の中に詰め込まれたタオルのせいで声が出せない。

「だから何度も言ってるでしょ?助けなんて来ないって」

ねっ、と優しく頬を撫でられた。ぞくりと背中に寒気が走る。

「そんなことより、早く足広げてくれないかな。俺、ずっと待ってるんだけど」

この人誰。私、知らない。こんな人。
こんな、


「聞き分けのない女は嫌いだよ?」


体がぐるりと反転された。上から重みがのしかかる。
頭をベッドに押し付けられながら、彼は私の耳元に口を寄せた。

「……っていうのは嘘。俺、女の子大好きだからさ、そんなこと言うわけないでしょ?」

口の中に押し込まれていたタオルが抜き取られる。
喉がカラカラに渇いて、息をするのが辛い。

「はあっ、はあっ……!」
「ごめん、ごめん。苦しかった?」

視線を上げて、彼を見やる。

「なんでっ……こんなっ、森山さん……!」
「んー、興味本位?」

そんなことより、と彼は笑みを含めた口調で続けた。

「ほら、足広げて。試したいことがあるから」

彼の声が頭上から降ってくる中、私は背後で奇妙なモーター音を聞いた。





2.今リコ
しゃーない。
これは相田さんのせいや。
まー、背がちっこいっていうのは相田さんのせいやないかもしれんけど。
上目遣いでワシを見られちゃあ、堪ったもんじゃないやろ。
せやから、なあ、相田さん。
最初は痛いかもしれんけど、そこは辛抱やで?




3.緑リコ
「これは運命なのだよ」

緑間はそう言って、リコの首筋に舌を這わせる。

「運命?どこが?」

顔を歪ませながらも、淡々とした口調でリコは言い放った。
緑間は笑う。

「俺と貴方の出会いが」
「違う」
「俺とリコさんは結ばれる運命だったのだよ」

違う、と言いかけた彼女の口を塞ぐ。

「んっ……んあっ……!」
「リコさん、」

彼女の小さな膨らみに手を伸ばして愛撫すれば、彼女はなんとも魅力的な声を上げる。
我慢ができすにスカートの中へ手を忍び込ませて下着をなぞれば、指先に湿った感触がした。

「これは運命、なのだよ」

彼女に、自分に言い聞かせるように呟く。
それでも、彼女の口からは否定の言葉しか生まれなかった。

俺はただ一言、そうだね、という言葉が欲しかっただけなのに。




4.若リコ
人が倒れる音がした。
同時に、テーブルに置いていたマグカップも倒れ、飲みかけの紅茶がテーブル一面に零れていく。

「わ……かまつ……くん?」

自分を組み敷く若松を見上げた。
彼はリコの手から携帯を取り上げると、乱暴に放り投げた。
果たして、自分は何をしたというのだろうか。
つい先ほど日向から部活に関することで電話がかかってきた。彼に了承を得てから電話に出て。
それから少し他愛のない話をしてしまって……と、そこまで考えて理解する。そして、後悔。
怒り任せに眼光を鋭くさせる今の彼に何を言っても無駄だということを、リコは直感したからだ。
おい、と彼の口から今まで聞いたことのない低い声が耳に届き、不覚にも体を震わせてしまった。


「あんま嘗めたマネしてると、俺も黙っちゃいねーよ?」




5.金リコ
「カントクってさあ、俺のこと男って思ってないでしょ?」
「何言ってんの。小金井くんは男の子でしょ?それぐらいの了見は持ち合わせているわよ」

部室に二人きり。
俺とカントク。
カントクは俺に背を向けたまま戸棚の整理を続けている。
対する俺はといえば、ベンチに座ってカントクの後ろ姿を眺め続けていた。

「変なこと質問する時間があるなら、掃除の手伝いしてよねー」

戸棚の奥にある物を取ろうとして、カントクは小さな尻を突き出すような姿勢を俺に向ける。
――わかってないじゃん。
思わず呆れたため息をついてしまった。
短い丈のスカートから覗かせる綺麗な太腿。見えそうで見えない下着にムラムラしてしまう。

「カントク」

気付けば、体が動いていた。

「んー?」

呑気なカントクの声。
俺の口の端が吊り上がる。

「カントク、いいこと教えてあげようか?」

カントクの白く細い太腿を撫でると、ようやくカントクは俺の方を向いてくれた。
最初からこっちを向いてくれれば、こんなことにはならなかったのにな。

「俺、バックが好きなんだ」

不安と恐怖に引き攣るカントクの顔。
割と好きかも、なーんてね。
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