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□君は特別
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「リコちゃーんっ!!!」
「は?って、きゃあ!?」
振り向いた途端、お腹に衝撃が走った。
痛みよりも、重み。重力。傾く体。
逆らえず、その場に尻もちをつく。
「……いったあ……」
「リコちゃんリコちゃんリコちゃんリコちゃん!!!!」
「うん、とりあえず落ち着こうか」
葉山くん、と声をかければ、リコの胸元に顔を押し付けていた葉山はばっと顔を上げる。
「久しぶりの再会ー!!超嬉しー!!」
にぱっと笑顔を浮かべ、彼はまたしてもリコに抱きついた。
そんな彼の様子に、リコは困ったような表情を浮かべるものの、彼を見つめる彼女の瞳はどこか愛しさに満ちている。
「……ったく、しょうがないわね」
葉山の髪を撫でながら、リコは小さくそう呟いた。
end