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□最愛プロポーズ
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それは、理性が一気に吹っ飛んでしまうかのような破壊力があった。
火神は体を起き上がらせると、額に手をあて、項垂れる。彼の反応に驚いたリコが飛び上がるように起き上がった。

「ご、ごめん!嫌だったよね……ごめん!」
「や、違います……突然の申し出に俺の理性がどうにかなっちゃいそうで」
「え?」
「カントクが、してくれるんですか?」

リコの腕を引っ張り、彼女を見下ろす火神。
彼女は火神の胸元に手をつきながら、確かにはっきりと意思表示を示してみせた。

「……じゃあ、俺の、触ってください」

促すように彼女の手を引いて、先ほどから熱を帯び、ぴんと勃ち上がっていた自身に触れさせると、びくりと彼女の体が微かに揺れた。
こんなにもリコが積極的になるなんて、今まで一度もなかったことである。だからか、火神の興奮はいつもよりも余計に高まってしまうものの、不安も過らせていた。

「カントク、無理してないよな?」

怖々と火神の自身に触れていたリコの手が止まる。

「無理なんてしてないわよ」
「本当、ですか?」
「……ちょっと、怖いけど」
「じゃあ、」
「でも、したいの」

だめ?と上目遣いで尋ねられたら、断る術なんて見つかるはずがない。
リコの手が動き出す。その手が上下に動かされると、火神は腰を突き出すような体勢になりながら後ろ手をつく。

「カン、トク……直接触って」
「……名前……」
「……リコ」

手を伸ばしてリコの髪に触れる。すると、彼女は嬉しそうに笑った。
ズボンと下着をおそるおそる下ろせば、見事なまでの彼の自身が露わになる。その大きさと太さに目を丸くさせ、恥ずかしそうに視線を逸らしてしまうリコに気が付くと、火神はまたしてもリコの手を引き、自身に触れさせた。
リコが自身を手の平で優しく包み込むだけで、なんともいえない気持ちで溢れ返る。
口の中に溜まった唾液を飲み込んで、彼女から与えられる刺激に身を任せようと、すべての神経を一点に集中させた。
先ほどよりも少しだけ強く握って上下に動かせば、火神の口から声が漏れる。
火神を見やれば、彼は歯を噛み締め、目を細めて快感に浸っているのがよくわかった。
彼のその反応に、リコは喜びを感じた。自分の手が彼を反応させているのだ、そう思えば思うだけ彼に尽くしたいと思った。

「火神くん、」

身を乗り出して、手の動きを速める。う、あ、と彼の口から喘ぎ声が漏れた。
火神は声を漏らしながらもリコの後頭部に手を添え、自分の元へ引き寄せる。彼女と目が合うと同時に互いの唇が重なり合った。

「舐めて」

唇を離し、彼女の頭に手を添えたまま、彼女の頭を自身に向けて下げていく。
リコは抵抗することなく、されるがまま、火神の自身に口をつけた。
その瞬間、火神は思わず目を閉じてしまった。
彼女の口の中は温かく、舌が絡まるだけでより自身が熱を持つのを感じた。
リコは自身を咥えたまま、何度も頭を上下に揺する。
火神は体勢を崩し、自分の股間に顔を埋めるリコを眺めた。
彼の体が燃えるように熱いのは、リコが与える刺激に興奮しているだけではない。愛しい彼女が、自分のソレを咥えているのだ。そんな彼女の姿を見るだけで理性が効かなくなってしまう。だが、ここで理性をなくすわけにはいかなかった。
自身を丁寧に舐めてくれる彼女と目が合う。彼女は口にソレを含んだまま、視線を上げるのだ。その度に自然と笑みが零れていく。

「……気持ちいいっすよ、リコさん」

そう言って、彼女の頭を撫でてあげれば、彼女は嬉しそうに目を細めた。
口の中に自身を出し入れさせる感覚は、彼女の秘部に自身を出し入れさせる感覚によく似ている。
衝動に駆られると、リコの頭に手を伸ばし、乱暴に彼女の頭を動かしたくなってしまう。それだけはどうしても避けたかった。何事も無理矢理、というのは好きではない。それが愛しの彼女であるのなら尚更に。
とはいえ、そんな心配を余所に、火神の射精感は徐々に高まってくる。それは、油断しているとぶちまけてしまいそうになるほどだった。
達したいが、まだ達したくはない。リコが自分のために尽くしてくれるところをまだ見ていたかったからだ。
しかし、射精感というものは、火神の意に反してやってくる。

「うっ、リ、コ……!」

自身を口に含んでいるリコがふいに動きを止め、火神を見上げた。

「ばっ……!止め、るな……!」

連続的に与えられていた快感がなくなると、火神はらしくもなく子供のように喚いて続きを強請る。
そんな彼の様子に、リコの口元が一瞬緩んだような気がした。

――ほんと、いい性格してるよ。

火神の反応を楽しそうに見つめるリコに、火神はため息をつく。
舌を這わせながら、上手に自身を抜き差しされる。彼女の唾液以外にも、自身の先端から溢れる先走った液もあるのだろう。滑りはとてもよくなっていた。
リコの動きに合わせて、自分の腰が揺れていることに気が付く。しかし、だからといって止めることはできない。我慢ができないほど、火神は昂ぶりを感じていたのだ。

「口、に、咥えたままでいてくれ、です」

火神の言葉に頷きつつ、リコは自身の先に口をつけながら硬くなっている自身を手で扱いた。
突然の刺激に火神はぎゅっと目を瞑る。

「――やば、出るっ……!」

瞬間、頭の中が真っ白になった。
堪えていたものが勢いよく吐き出される感覚。
ビュッと飛び出した白濁液がリコの口の中に広がっていく。んっ、とリコが顔を顰めた。

「はあっ、はあっ……」

肩で息をし、リコの頬に触れた。顔を上げたリコの口についている精子を親指で拭い、口の中にまだ残っているであろう己の欲望を吐き出させるため、近くに置いてあった箱ティッシュから数枚のティッシュを引き抜く。

「ここに出していいから、」

と、ティッシュを差し出しながら振り返った途端、彼は目を大きく見開かせた。
彼女の喉元がごくんと降下したのだ。

「……飲んじゃった」

舌を出して笑う彼女は、高校のときから変わらない無邪気さを感じさせた。

「やべえ、嬉しい。カントク可愛すぎ」

座ったままの姿勢で彼女を抱きしめれば、胸の中でリコは優しく微笑んでいた。

「気持ち……よかった?」
「そりゃもう。つーか、余計に興奮してきた」

火神にそう言われてからリコは気付く。自分の足に、萎えることを知らない彼の自身が当たっていたのだ。
リコは思わず顔を赤らめた。
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