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□有終の美を飾る
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「ひゃっ、ああ、あっ……あっ!」

ある一点を指が突いた瞬間、リコは裏返った声を上げてしまった。
リコの様子に気付いた宮地は、その一点をしつこく攻める。

「なに、ここ?」
「んあっ、やあっ……!あっ、あっ、あっ!」
「ここが気持ちいいわけ?」

リコは体をよじらせ、横向きになった。しかし、その体勢は宮地にとっては好都合なもの。片足を思い切り上げては指の動きを速くさせる。
押し寄せてくる快感に堪えきれず、自分の体を支えている緑間の足へとしがみついた。
自分の体の上で喘ぎ声を上げ続ける彼女に我慢などできるはずはなく。宮地から、上はやる、という許可も得ているのだと、緑間はリコの服の上から手を滑り込ませて膨らみを弄った。
反対の手でボタンを器用に一つずつ外していけば、小さな膨らみを覆う下着が姿を現わした。
緑間の頬がほんのりと赤くなる。

「……綺麗なのだよ、相田さん」
「んあ!み、どり、ま、くっ……!やだあっ……!」

体を横にしてしまった彼女の下着のホックを外すことなんて手先が器用な緑間にとっては簡単なことだ。
わざと音を立てて外せば、彼女は咄嗟に腕で隠そうとする。緑間はそんなことなどお構いなしに彼女の腕の隙間から手を差しこませて胸に触れた。
手の平に包み込むように揉むと、その柔らかさに驚いてしまう。

「柔らかくて気持ちいいのだよ、相田さん」
「や、だ……!離しっ……ひゃあ!?」

強調してきた桃色の突起を緑間が摘んだのが先か、それとも宮地が足の間に顔を埋めたのが先か、それはリコにすらわからないほど絶妙なタイミングだった。
ぎゅっぎゅっと指の間に乳首を挟んで弄るたびにリコの体がびくんびくんと跳ね上がる。それを押さえつけるように彼女の太腿を押しやる宮地はとろとろと愛液を溢れ返させている場所を舌で弄ることに夢中だ。
秘部に舌を挿れると、ぬるりとした感覚がリコに伝わった。

「ああっ……!!そこ、あっ、あっ、そこっ、だ、めえっ……!!」
「……やっべ、まだどんどん出てくるぜ?」

顔を上げた宮地は、にやりとリコに笑いかける。

「すっげービクビクしてるけど、なに?誘ってんの?」
「ちがっ……!」
「宮地先輩、宮地せーんぱーい」

リコの言葉を遮るように、高尾の声が部屋の奥から飛んできた。宮地にハウスと言われ、おとなしく部屋の隅にいたようである。
彼はがさがさと袋の中を漁りながらベッドへと近付いてきた。

「せっかくコレ買ったんですし、使いましょうよー」
「あ?あーすっかり忘れてたわ」
「もう使うんですか?」
「わかってないなあ真ちゃん。相田さん、まだイッてないんだよ?これだけ焦らされたんだから、どんだけ狂っちゃうのか気にならない?ね、宮地先輩!」
「……ま、それもいーかもな」

宮地はそう言って、ぱっと手を離した。彼によって持ち上げられていたリコの足は力なく崩れ落ちていく。
が、彼女の足は有無を言わせずまたしても大きく開かれてしまった。
仰向けにされ、上半身を緑間に抱えられるように後ろから支えられて、力の入らないリコはそのまま彼に体を預けてしまう。
普段ならば決して他人に見られることのない部分が、今まさに宮地と高尾の目の前で晒されている。二人の視線にリコは知らず知らずソコを濡らしてしまう。

「うっわあ相田さん超えろーい」
「はっ、垂れ流しじゃねーかよ。お前、本当は嫌じゃねーだろ?」

宮地の言葉にぶんぶんと首を横に振るリコ。

「まあまあ、これから相田さんも楽しくなってくるからさ!」

そう言って、高尾は袋の中から何かを取り出してみせる。

「宮地先輩、ここは俺がやっちゃっていいっすよね?俺、ずっとお預けくらってたんだし」
「あー?まーいいんじゃねえの」

やった!と嬉しそうにはしゃぐ高尾はまるで新しいおもちゃを手に入れた子供のようだった。彼が手にする機械から奇妙なモーター音が聞こえてくるまでは。
リコはこれから自分の身に起きることが想像できなかった。いや、したくなかっただけなのかもしれない。
最後の力を振り絞るように、宮地の手によって押さえられている足を動かそうとする。それから腹に回っている緑間の腕に精一杯の力を込めて爪を立てた。
バスケをする彼の腕に傷をつけるのは罪悪感に駆られる。それと同時に、こんなことをされてまで彼の心配する自分に嫌気が差した。
すべての思いを吐き出すように、リコはぼろぼろと涙を溢して訴える。

「離してっ……!やだあ、やだっ、助けて日向くん……!てっぺえ……!」

口から出てくるのは、ここに現れることはないだろう自分が最も信頼する仲間の名前だった。伊月くん、水戸部くん、と名前を呼び続けていれば、突然、誰かの手がリコの口を塞いだ。
塞ぐ、というよりも鷲掴みした、と言った方がいいだろうか。
大きな手の平は小顔の彼女を覆いつくすようだった。

「……うるさいのだよ」

それは、ひどく冷淡な声だったと思う。
緑間はリコを掴んだまま辺りを見渡し、宮地の勉強机に目を止めた。

「宮地先輩、これ貸してください」

手を伸ばして机の上に置いてあったネクタイを掴む。宮地はにやにやと笑いながら緑間を見つめ、承諾する。
愉快そうに笑う宮地の代わりに、高尾が口を開いた。

「相田さん、あんまりウチのエースを怒らせない方がいいっすよ?」

高尾の声がやけに耳にこびりつく。彼に目を向ければ、笑顔のままの高尾がいた。なのに、その笑顔にはいつもの明るくて無邪気さの欠片など、どこにもないように思えた。
緑間に両手首をまとめられ、動かないようにネクタイできつく縛られる。それが終わると、彼はまたリコの胸へと手を伸ばした。柔らかさに目を閉じ、快感を集中して得ては、甘い吐息を吐き出す。
吐息がリコの耳にかかると、彼女は堪えきれないようにぎゅっと目を瞑った。

「そろそろ行くよー」

高尾のかけ声に、はっと我に返る。
待って、と彼を止めることは叶わなかった。宮地によって両足を大きく広げたソコに、高尾が手にするモノが宛がわれる。

「ひゃあああっ!!?」

途端、リコは今までにない嬌声を上げた。

「ひゃっ、や、ああああっ!!」

モーター音が耳に届く。円を描くように動くモノがリコの敏感な部分を撫でた。
それは、一瞬にして何も考えられなくなるような、言葉にすることができない快感の波が次から次へと押し寄せてくるようだった。
びくんびくんと背中を脈打つと、緑間が胸を愛撫しながら少しだけ笑みを浮かべたような気がした。

「ああっ!だ、めえ、高尾、くん……!高尾く、んあっ、あっ、あっ!」
「電マってすげー。相田さん気持ちいい?てか気持ちいいんでしょ?そんなだらしなく涎垂らしちゃってさ」
「くそ、早くヤりてえ」

宮地がリコの口の端から伝う涎を舐めながら呟いた。
リコは狂ったように声を洩らす。その声が彼らを喜ばせていることなど知らずに。
宮地はもうリコの足を押さえていない。それなのに、彼女は無意識に足を広げ、高尾から与えられる快感を求めた。すげー格好、と宮地が笑った。

「相田さん、イキそう?」
「あんっ、イッちゃっ……う!ああっ、イクっ、イッちゃう、高尾くんっ……!」
「でもまだダメー」

悪戯な笑みでそう言って、クリトリスを攻めていたモノを一旦離す。
頭の中が真っ白になるほどの強い刺激だ。それが突然なくなり、リコはぐずった声を発する。

「やだあ……!続けてえ、止めないでえ……!」
「は、お前なに腰揺らしてんの?あんなに嫌がってたのによ」
「相田さん、気持ちよくなりたいんですか?」

緑間の問いに、リコは激しく首を縦に振る。自分の大事な部分が反応しているのがわかった。求めているのだ、とリコは直感する。欲しくて欲しくて、彼らを誘うように腰を揺らし続けた。
ごくりと、誰かが唾を飲み込むのがわかった。

「……早く相田さんに挿れたい」
「バーカ、一番は俺だ。後輩が出しゃばるな」

高尾は宮地の言葉に苦笑しつつ、もう一度スイッチを入れる。モーター音が部屋に響きだして、リコの瞳が輝きに満ちたことに彼らが見逃すはずがなかった。

「相田さん、気持ちよくなりたいならもっと足を広げないと」
「ん……」
「ついでに腰を突きだして」

高尾と宮地に言われるがまま、リコは素直に従った。これでいいのかと二人に目を向けた瞬間。

「ひゃあああっ!!」

クリトリスに先ほどの刺激が与えられた。高尾の手によって動かされるソレは確実にリコが求める場所へと攻め立てる。
待ち望んでいた快感に全神経を集中させた。ぞくり、と何かが駆け抜けていく。

「たか、おくん……!や、あ、出ちゃ、う……!出ちゃうよお……!」
「出ちゃう?何がっすか?」
「わか、んない、っあ!気持ちいいっ……!あっ、あっ、ら、めっ……!」

呂律が回らなくなった彼女を見て、彼らは笑う。緑間は彼女に回していた腕を離し、優しい手つきで彼女の腹を撫でた。

「出すとこ見たいです」
「やあっ緑間、くん……!ああっ、だ、めえ……あっ、あっ、イッちゃう!っイク!」

高尾が彼女のクリトリスに力強くモノを押しつけた。瞬間、リコの体が大きく跳ね上がる。そして、ぷしゃっという水しぶきのような音がした。

「すげー!」
「うわ、生で初めてみたわ」
「エロすぎなのだよ」

達した余韻で体を震わすリコ。何が起きたのか、自分では把握できずにいた。
重たい瞼を開け、焦点の定まらない瞳で高尾の方を見やる。
リコの視線に気が付いた高尾は、にっと笑みを作って彼女に自分の腕を見せた。機械を持っていた彼の腕は透明なのか、白色なのか、リコにははっきりとわからないほどの液体塗れとなっている。

「潮吹き、相田さんできるんすね!」
「や……んあっ!」
「何が嫌だよ、気持ちいいから出したんだろーが」

宮地の指がリコの秘部の奥へと攻め立てた。
きゅっと指を締めつけられ、彼は満足げに微笑む。

「締まり最高」
「俺もう我慢できないっすね。相田さん、コレしゃぶって?」

膝立ちをしながら自らのズボンに手をかけた高尾は、急かした手つきでズボンを下ろした。下着越しでもはっきりとわかるほどに主張しているソレに、思わずリコは息を飲む。
上手に舐めてね、と笑みを彼女に向けながら、高尾はリコの口元へ下着の中から取り出したモノを近付けた。
無理矢理こじ開けられた口の中へ高尾のソレが押し込まれたとき、その後ろで宮地が彼同様にズボンを下ろしているのが目に入る。
宮地の口元が怪しく笑みを作り上げたのを見た瞬間、自分はもう前の自分には戻れないことを熱を帯びた頭で理解した。
それに追討ちをかけるように、彼女を後ろから抱きしめていた緑間が優しく言葉を放つ。


「相田さん、顔射ってわかりますか?」



わからない、と答えれば、震えるリコの唇を指でなぞりながら、相田さんにずっとしたかったんです、後でやりますね、とそう言って彼は彼女にキスをした。



――――君を自分の欲望で色付ける。
それをどれだけ待ち望んでいたのだろうか。
すべてが終わったら、君は世界で一番綺麗になるんだ。



(有終の美を飾る)




end
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