青褐蝶の空
□三†現在と夢
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しばらくして
あの人達は
居なくなっていた
ただ
幼き頃の
閑紫なら
其処にいた
ある家の前にいた
ガラッ
戸が開いて
閑紫を
睨みつける男女がいた
嗚呼前の父母だ
閑紫は
逃げていた
何かが
怖くて
怖くて
何かって何だ?
閑紫は
よくわからないところにいた
灰色で
わからなかった
ドロリとしたものが
あったのだけれど
わたしの周りには
来なかった
誰も居なくて
静寂の中に
置かれている
幼い私
何故こんなにも無表情なんだ
時間は飛んで
少し背の伸びた私
どうやって生きて居たんだ
列車のような
何かが来た
どうでもいいとでも言うように
ゆっくり
一歩一歩
歩く
私