部屋全体が強い光に照らされたかと思うと、ドサリと何かが私の上に落ちて来て、その重みに耐えきれず、私も床に倒れ込んだ。


その"何か"は人間だった。


端から見たら押し倒された状態で顔は見えない。
横目で見れば目に入った長めの水色がかった銀髪?
それが首に当たってくすぐったい。



え、なにこの状況…


呆然としていると私に覆い被さっている人は起き上がり私を見た。


視線がぶつかり、私は動けなくなった。








仕事が終わって帰宅。
なにやら郵便物が届いていた。

おかしいな…最近通販で物を買った記憶なんてないし…


とりあえず包装をといて中を見てみる事にした。



中身は【イナイレ!〜ドキドキ★love生活〜】
とカラフルな文字でかかれたパッケージ。右下にはR-18の表示。


…うん?

ちょ、待て。
何だこの同人ゲームは…



注文した記憶を辿って見るが、やはり記憶にない。
しばらく考えているとフッと心当たりのある人物が頭に浮かんだ。

あいつだ。あいつしかいない…
こんな物送りつけてくるのは…っ


携帯のアドレス帳から目当ての名前を探し、電話をかける。 数回呼び出し音が鳴ってから、相手が出た。



〔はい、もっしもーし!どしたの?〕
ちょっとテンションが高い、元気な声が聞こえてきた。



『犯人はお前だろ。』


〔ん?なんのこと?〕


『とぼけるなよ?私に何か送ってきただろ』


〔知らない知らない!私は試作品のエロゲなんか知らないよー〕

『やっぱりお前じゃねぇかああああ!』


やっぱりこいつだった。
ゲームとかプログラミングする仕事しててたまに試作品を送ってきたりするんだ。

むしろお前じゃなかったらどうしようかと…


〔もうインストールした?〕


『いや、今帰ったばっかだからしてない。』


〔今回は自信作だからさ!早くやってみて!〕


『ん、わかった。そのうちやるわ』


〔今日中だからね!んじゃバイバーイ!〕


プツンと一方的に切られた電話。


今日中とか面倒くさいなぁ…と思いながらもパソコンの電源を入れ、ディスクをインストールし始めた。




………なかなか進まない。
容量がデカすぎるのかな?





数十分たったがまだ半分ぐらいしか進んでいない。


痺れを切らした私は風呂へと向かった。



湯舟に浸かって一息つく。

温かいお湯にだんだん眠気が襲ってきた。


ヤバい、寝ちゃう前に上がらなきゃ…


とりあえず、インストールが終わったら今日は寝て、明日やろう。


浴槽から出て身体の水気を拭き取って部屋に戻った。




そして冒頭に戻る。





視線が混じり合い、パチクリと瞬きをした目の前の少年。


オレンジの瞳に右目には眼帯。パッと見女の子にしか見えない容姿。



どう見ても佐久間くんじゃないか!



『え、え?まさかの逆トリ?!でもいきなりなんで…』


突然の事に唖然としていると、佐久間くんは口を開いた。


「初めまして!エロゲの国から来ました、佐久間次郎でっす☆あなたが俺のマスターですか?」

ウインクをしながら可愛らしく自己紹介をしてくれました。




初めまして!
(どうしてこうなった)







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