夢ならざる物語

□あさり貝と神の使徒 episode.2
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「ここがルナの街ですか。」

白髪の少年がそう言って辺りを見回した。

黒を基調とした服を身に纏った不思議な雰囲気を持つ少年だ。

その肩には羽を生やした奇妙な金色の球体がちょこんと乗っている。

「ウォーカー、のんびりしてないで早く行きますよ。」

「リンクは急ぎすぎなんですよ。」

「あなたがのんびりしすぎなんです。」

白髪の少年と金髪を三つ編みにした青年が口々に言い合いながら街の中を歩いて行く。

そんな時、街の中に爆発音にも似た音が響いた。

「!?これは一体・・・」

「リンク・・・AKUMAです。」

そう言って音源の方向を見据える白髪の少年の左目はいつの間にか不思議な姿のものへと変わっていた。


時は少しさかのぼる。


「十代目、十代目。」

聞き覚えのある声に呼ばれ、ツナはゆっくりと意識を取り戻す。

地面に倒れていた体勢から、上半身を起こしてツナは目を丸くした。

「獄寺君、山本?」

いつの間にやら慣れ親しんだ友人が自分の前に立っている。

しかし、それよりも驚くべきことは・・・

「てか、ここ・・・どこ?」


そう、今ツナたちがいるのは並盛町などではなく、19世紀末のヨーロッパを思わせる街並みのど真ん中だった。


    
    episode.2 かくて始まりの頁は彩られる
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