夢ならざる物語
□あさり貝と神の使徒 episode.2
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「俺と獄寺も気づいたらここにいたから、ここがどこかは知らないのな。」
「そっか・・・でも、何でこんなことに?」
よろよろと立ち上がりながらツナは不安そうに呟いた。
「・・・あの、十代目、こういったリングに見覚えは?」
そう言って獄寺はツナに向かって右手を掲げた。
そこには小さく煌めくあのリングが。
「あ・・・」
「やはりそうですか・・・。俺も山本もこのリングが急に光り出して、気づいたらここにいたんです。このリングが原因なのは間違いないでしょう。」
「でもさ獄寺、何でこんな事が起きたんだ?」
「んなもん俺が知るわけねえだろ・・・それが分かれば苦労しねえよ。」
ツナは自分の右手に目をやる。
そこには例の白銀のリングがいつの間にか指に収まっていた。
試しにとろうとしてみたが、どういう理由かリングはぴくりともしない。
ツナは思わず大きく息をはいた。