〜愛讃歌〜「殺生丸と伽羅」

□抱擁
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武蔵の国‥殺生丸 伽羅 りん 邪見 阿吽は

この武蔵の屋敷で 寝起きし 生活をしている

殺生丸 犬夜叉の亡き父上‥闘牙王が建てた 屋敷であるが

大親友の龍神王が この屋敷を仕切っていた

近頃 本家大元 西国では 邪悪な妖怪どもが 屋敷を狙い うろついているという

「‥フン 身の程知らずの下衆妖怪が‥」

殺生丸は 後に西国の主となるお方

長期戦の戦を覚悟の上 伽羅たちを 武蔵に残し

腕っぷしの強い家来を引き連れ 戦に挑んでいた

もう半月も 武蔵の屋敷に  戻ってなかった

伽羅は 殺生丸 家来の身を 案じ 眠れない日が 続いた

殺生丸も 我が命 そして家来の命も 落とさせてなるものかと

戦に神経を集中させていた

屋敷の正門前が騒がしい

家来や仕えの者 殺生丸と共に 戦に携わった妻たちが

廊下をバタバタと走り回り

「伽羅さま〜伽羅殿!!殺生丸さまが お戻りになさいました」

「えっ?殺生丸が?」

憂鬱な伽羅の顔に 笑顔が戻り 身仕度を整え 殺生丸を出迎えに出た

彼の姿を見るなり 無事でいた喜びと 

凛々しく 勇ましい 戦いに生きる 

勝利した 男義の姿があった

しかし その反面‥少し窶れ 疲れも窺えた

「‥殺生丸 お帰り‥」

伽羅の言葉には 耳を傾けず

壊れそうなくらい 伽羅を抱きしめ

人目も憚らず 熱い口付けを交わした

「‥伽羅‥」

殺生丸の着物は 血で染まり

背に深い 斬られ傷を負おっていた

「殺生丸‥」

「‥大丈夫だ 心配するな 直ぐ傷は癒せる‥」

殺生丸は 伽羅を 御姫さま抱っこし

戦に挑んだ仕えの者に 「‥ゆっくり休め‥」 労いの言葉をかけた

「‥しかし‥殺生丸殿‥」

殺生丸は 振り向かず 伽羅を抱っこしたまま 我が部屋に向かって行った

仕えの者は 深々と頭を下げ 殺生丸と伽羅を 見送った

殺生丸の背傷‥

仕えの者を庇い 斬られたのである‥‥命の恩人‥

命拾いをした 仕えの者は 感謝をかくしきれない様子であった






 
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