〜愛讃歌〜「殺生丸と伽羅」

□嫉妬心と発情期
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殺生丸と伽羅は相変わらず熱々いちゃいちゃぶり

それを毎日側で見ている邪見は

「はぁ‥ヤカンで湯が沸くわい‥」

何をするにしても 何処に行くにしても 人目も憚らず

いちゃいちゃ ベタベタと 平気で 口付けをしたり‥

「はぁ‥‥真の大妖怪の殺生丸さまが 此ほどまでに 御代わりなさるとは‥人間を恨み 虫けら同然と思われたお方が‥はあ‥いくら何でも伽羅さまとは 許嫁の仲とはいえ もう少し 行動をお考え下さればよいのじゃが‥」

使いの邪見は 頭を痛めていた

当然 武蔵の屋敷では 誰もが羨む仲で 誰もが 肩を撫で下ろしていた

血も涙のカケラもない 冷酷冷淡

気に食わなければ 直ぐ様 斬り殺す

そんなお方が 伽羅さまと‥

しかし 慈悲の心を発するのは 無論 伽羅とりんだけに限るのである

本家 西国でも 「御母堂殿!!殺生丸殿はいつ伽羅さまと祝言を上げるのか!」話題が持ちきりである

西国の家来たちは 伽羅の忌まわしい過去を知り 無論 人間の娘である事も承知の上

御母堂は母親代わり‥そして 何よりも 亡き主 闘牙王が父親代わりである

殺生丸とは赤子の時から 共に育った仲

気に食わなければ 家
来たちを全て 切り捨てた 殺生丸‥それは 伽羅のためであった

今日も 殺生丸と伽羅は 庭先でいちゃいちゃ寄り添っている

最近 伽羅は 殺生丸の変な行動が 気になっていた ある日の出来事があった

家来の者たちと 親しく話しをしている時だった

普段なら 「随分楽しそうだな 何かあったのか?」優しく話してくれたのが

ここ最近‥「ヤツらと何を馴れ馴れしく話していた?」「抱かれたいのか?」

訳の判らないらない事を言い出し イライラしている

そんな日に限って 荒々しく 激しく求めて来る

いきなり手を引っ張り 着物の裾を捲り上げ 華芯をまさぐり 突進してくる事も‥

いちゃいちゃの仲 今日は 伽羅の舞踊のお稽古日

殺生丸に口付けをして 稽古場に 向かった

殺生丸は 庭先に咲いている 伽羅が大好きで 大切に育ている 芍薬の花に手を添え

「‥今の己は 伽羅に 何をしている‥求め飽きたらず それでも尚 求めたがる‥一体己自身に何が起きている‥身体も重い‥虚脱感もある‥何故だ‥」

チェッと舌打ちし 芍薬の華を ポッキと折ってしまった

「あぁぁ〜殺生丸 伽羅の大切な華を‥」

通りかかった龍神王は 殺生
丸に声をかけた

「ハッ」と我に帰る殺生丸

「どうしたのか?近頃 イライラしておるな〜殺生丸‥」

殺生丸は今己自身に 起きている事を打ち明けた
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