〜愛讃歌〜「殺生丸と伽羅」

□人里へ…
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殺生丸は伽羅の為に 食べ物を探しに出た

「‥芋類や酒 蜂蜜 果物など幾らでも手に入るが‥」

敢えてこの際 人間の食べ物は人に聞く行動を 殺生丸は取った

殺生丸の姿を見つけた邪見は

「‥殺生丸さま〜ワシを置いて行かないで〜ぇ〜‥」

阿吽を連れ 殺生丸の後を追った

向かった先は 異母弟の犬夜叉と かごめが居る人里だった

微風が吹き 記憶に残る匂いを頼りに後を辿り

そこはかって 亡き父上が愛した人の墓前

そう‥‥‥犬夜叉の母 十六夜であった

殺生丸は暫く墓石を見つめ その足で伽羅の母 麗羅の墓前に向かった

大地には 辺り一面の芍薬が凛として 大輪の華が咲き 淡い香りが漂っていた

「‥伽羅もこの華を‥大切に育てているな‥」

殺生丸は数本の芍薬の華を切り 麗羅の墓前に手向け告げた

「‥伽羅は 私の子を宿している‥母子共に安泰でいることを‥」

殺生丸は初めて 己以外の者に縋り 静かに目を閉じ参った

その頃 一仕事終えた犬夜叉とかごめは 楓の処で茶を飲んでいた

「ねぇ‥犬夜叉‥」

「‥何だよ‥」

「‥今頃 殺生丸たちどうしているんだろうね‥りんちゃんも一緒なのかな それに 伽羅さんのことも‥」

「‥そんな事知るかよ‥」

「‥犬夜叉 そんな言い方ないでしょ!私の義兄さんなんだから‥お・す・わ・り・」

「‥ギャーフン!かごめぇ〜テメェ〜何しゃがる!痛てぇだろうが!‥」

「‥フン 知らないもん〜‥」

「‥かごめ その辺で 勘弁してやれ‥」

「‥だって‥楓ばあちゃん‥」

「‥もうあれから随分時が立つ‥おそらく りんも伽羅も 殺生丸と一緒であろう‥」

其処へ 妖術修行中の七宝 妖怪退治修行中の琥珀

弥勒と珊瑚が子を連れ 雲母も遊びにやって来た

「‥犬夜叉 どうしたんだい?その格好は‥?」

「‥まさかとは思いますが かごめさまに 浮気がバレたとか‥」

「‥犬夜叉 相変わらずじゃの‥」

「‥犬夜叉さま 本当なんですか?‥」

「‥弥勒 テメぇら〜そんな訳ねぇだろう〜‥」

「‥皆 違うのよ‥」

かごめが 手助けに入った

「‥義兄さんの殺生丸 りんちゃん 伽羅さんの事を話していたの‥そうしたら 犬夜叉が‥」

その時 犬夜叉がいきなり起き上がり

「‥ヤツが近づいて来る‥殺生丸の匂いだ‥」

「‥伽羅さんや りんちゃんも一緒なの?‥」

「‥いや 殺生丸と邪見だけだ‥」

犬夜叉一行に ピーンと張り詰めた空気が流れ始めた●●
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