〜愛讃歌〜「殺生丸と伽羅」

□人里へ…
2ページ/5ページ


邪見がやって来た

「‥楓 邪魔するぞ‥」

「‥小妖怪か‥暫くだな‥」

「‥小妖怪とは何だ!‥邪見さまと呼べ!」

「‥邪見 相変わらず 態度がデカイいのぉ〜‥」

「‥七宝 貴様も 小妖怪ではないか‥」

「‥お前に言われとうないわ‥オラは 子狐妖怪じゃ!」

「‥何を!!‥」

些細なイザコザに かごめが仲裁に入った

「‥七宝ちゃん 邪見 二人とも やめなさい‥あっ!義兄さん‥」

「‥邪見 其処で 何をしている‥じゃれ合いに来たのではない‥いい加減にせぬと 殺すぞ‥下がっておれ‥」

「‥しかし 殺生丸さま‥」

ジロッと睨み付ける殺生丸の目に 邪見は冷や汗をかきながら トコトコと下がった

殺生丸の風格に圧倒されながら 弥勒と琥珀が声をかけた

「‥殺生丸 殺生丸さま お久しぶりで‥」

「‥お前たちに 用があって来た‥」

チラッと弥勒と珊瑚の子に目を向け 

殺生丸は 穏やかな 笑みを浮かべ

毛皮のモコモコを 起用に操り 子をあやし始めた

「‥嘘だろ!!人間嫌いの殺生丸が 人の子をあやすなんて‥」

誰もが 我が目を 疑った

「‥土産だ‥女は見ないほうがよいが‥」

殺生丸は 麻布に入った袋を投げた

犬夜叉と弥勒が 麻布袋を覗いた

「‥おぉぉぉ スッポンじゃないか!!それにこっちは‥」

犬夜叉と弥勒は 顔を合わせ ニャリとニャっいた

「‥なぁ〜に‥そのいやらしい笑いは‥私たちにも見せてよ‥」

「‥殺生丸の言う通り 見ないほうがいいぜ‥」

忠告も聞かず 無理に覗いた かごめと珊瑚は 悲鳴を上げた

「‥ギャァ〜〜何!!‥蛇〜〜〜‥」

トグロを巻き 今にも 食い付きそうな大きな口を開け 猛毒がある牙が 剥き出しになっていた

「‥かごめさま これは マムシと言う蛇で 猛毒がありますが 生きたまま何年も 焼酎浸けにした物です‥スッポン同様 元気の源ですよ‥」

「‥確か 家の台所に‥じいちゃんが 大事にしていた‥」

「‥殺生丸 こんな貴重な物を‥有難く頂戴します‥」

楓が 茶を飲みながら 静かに 見守っていた

「‥殺生丸 暫く見ないうちに 御主は ひと回りも ふた回りも 大きく成長したな‥」

殺生丸は 胸元から 達筆な文を出し広げ

「‥この食い物を探している‥」

楓は文に目を通し かごめと珊瑚を呼んだ

「‥悪いが 畑を手伝ってくれ‥」

「‥うん いいわよ‥」

子等は 殺生丸のモコモコが 気に入ったのか キャッキャッ言いながら よじ登ったり 顔を埋めたりしていた

珊瑚が 申し訳なさそうに

「‥殺生丸 すまない‥助かるよ‥」

「‥妖怪も 人間も 授かった命に 代わりあるまい‥」

そう言い残し 子等が 落ちないように モコモコで巻きながら 外に出て 畑を眺めていた
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ