〜「情愛華」〜

□〜「蕾」〜
2ページ/2ページ


湖の湖畔に差し掛かった頃 日が落ち始め 湖に夕日が映っていた

無性に甘えて来る伽羅を 殺生丸は 突き放す事が出来なかった

己が妖であるが故 愛しい女を失う事を 怖れていた

しかし・・・妖であっても男・・・

己自身にも ある時期が来ている事も悟っていた

殺生丸は 伽羅を力強く抱きしめ 覚悟を決めた

そして 伽羅の耳元で

「・・・よく聞け・・・伽羅・・・一度しか言わぬ・・・この殺生丸・・・お前を・・・娶る・・・異存ないな・・・」

あまりにも突然の事で 伽羅は驚いた

「・・・殺・・・生・・・丸・・・?!私は人の娘・・・」

「・・・ならば・・・この殺生丸・・・妖の男・・・嫌であるならば・・・直ぐ様・・・この場を立ち去れ・・・」

暫くの間 沈黙が続く中

伽羅は顔を上げ 殺生丸の目を見つめ

戯れ事ではない事を知った今

そっと殺生丸の頬に手を添え 自ら口付けを求めた

殺生丸は その口付けに応じ

奥深い熱い口付けを 幾度も繰り返され

「・・・伽羅・・・此れが・・・お前の応えだな・・・」

その問いかけに 伽羅は笑みを浮かべ頷いた

再び唇が重ね合い 殺生丸の舌と 伽羅の舌が 絡み付く

熱い激しい口付けが繰り返され

官能する殺生丸の口付けに 引き寄せられてしまった伽羅は

思わず 甘い吐息と声を洩らしてしまった

本能が互いを求めている・・・

燃え上がる想いに

「・・・肌に触れたい・・・全てが欲しい・・・」と・・・

殺生丸の本来の姿は「犬の妖」・・・

雄の本能が目覚めてしまった

嗅覚や聴覚も鋭く

伽羅から発する匂いや 魅惑する甘い声に狩られて行く・・・

殺生丸は激しい口付けをしながら

伽羅の首筋 豊かな胸の膨らみなど

身体にそっと触れ なぞってみた

反応する伽羅の身体は 芯から燃え上がり

魅惑する甘い声を洩らしていく・・・

「・・・殺・・・生・・・丸・・・私・・・」

官能する殺生丸の愛に 自分を支える力か抜け

耐え切れなくなってしまった伽羅は

息が乱れ 顔を赤く染め 虚ろな瞳で 殺生丸に訴えた

「・・・どうした?・・・心地よいのか?・・・」

恥ずかしさを隠せない伽羅は

殺生丸の逞しい 胸板の厚い胸に 顔を隠した

そんな思いを察した殺生丸は 意地悪するかように

焦らしながら 舌と舌が絡み付く 激しい口付けと 首筋に口付けで落としていく・・・

限界がきていた伽羅は もう堪えることが出来なくなり 悦声を上げてしまった

ニャリと笑う殺生丸は 一旦 理性を抑え 

「・・・後で たっぷりと・・・な・・・覚悟しとけ・・・」

プライドの高い殺生丸は 自信満々に 伽羅を抱き上げ

とある屋敷に向って 黄昏の大空を 飛び立って行った・・・



   (・・・「〜華 開く時〜」へ続く・・・)
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ