〜「情愛華」〜

□「〜華 開く時〜」
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時を見計らった頃 湯番の女頭が現れ 襖越しから

「・・・湯の仕度が出来ました・・・伽羅さま お入りを・・・」

言われるままに 案内された湯場に向かった

岩場の露天風呂になっており

夜風が澄み 滝が流れ 夜空には 無数の星が舞っていた

湯は薬草が張られ 湯加減も丁度良く 

緊張感が解きほぐれ 心が和んだ

薬草の香りが時折 官能を呼び覚ます・・・

思い出してしまった あの時の感触・・・

殺生丸が肌に触れた あの時の・・・

そして・・・この後・・・殺生丸に・・・

初めて愛され 抱かれ行く・・・

想えば思う程 伽羅の身体は 芯から熱く 火照ってくる・・・

伽羅は自身の変化に気付いた・・・

「・・・私の身体・・・殺生丸を求めている・・・」

長い黒髪を洗い 身体の隅々まで 洗い流し

殺生丸に 失礼にならぬ様にと

ゆっくり湯に浸かり 心に命じた

ふと気付くと 湯番の女頭は いつの間にか 消えている

「・・・・???・・・・」

用意された 誂えの床衣に着替え

殺生丸が待つ部屋に向かった

「・・・入ってもいい?・・・」

「・・・伽羅か・・・入れ・・・」

そっと 襖を開けた

床衣に着替え 冷酒を呑み 穏やかな笑みで 夜空を眺め

優しい温かな瞳をした 殺生丸がいる・・・

殺生丸は戦に生きる男

何時も 全てに置いて お強い殺生丸

来る日も来る日も 戦続き

敵陣に隙を見せれば 命の保証などない・・・

身に纏っていた鎧や 命同様・・腰に刺している二刀の刀も外していた

伽羅は殺生丸に寄りかかり 

力強く 確り腰に手を回されながら 引き寄せられ お流れを頂戴した

また 伽羅の好きな旬の果物も 冷たく冷やされ

呑みながら 果物を 一口・・・また一口と撮む仕草が 妙に色気があり 色っぽい・・・

湯上りの香りと 伽羅の匂いが入交り 殺生丸を誘う・・・

「・・・伽・・・羅・・・」

官能する殺生丸は 酒を口に含み 伽羅の濡れた半開きの唇に 含んだ酒を 一滴また一滴と落としていく

「・・・美味しいか?・・・」

伽羅は 殺生丸の腕に抱かれながら

そっと瞳を閉じ その時がくる事を 待っていた・・・
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