シリーズ小説
□ツナ君の恋人2
1ページ/1ページ
やぁ、俺の名前は沢田綱吉。
皆からダメツナって…自分で言ってて空しくなるからそこら辺は省略で。
そんな俺にもこの春、なんと恋人が出来た。
年齢イコール彼女いない歴な俺にもいよいよ春がきた。
しかし、その彼女は…
「おはようございます!十代目!!」
…男だった。
父さん母さんごめんなさい。僕で沢田家の血筋が途切れます。親不孝をどうかお許しください。
ブツブツ何かを唱えてる俺にどうかしましたか?何て心配そうに小首なんか傾げるから、あ、可愛い、なんて思ってしまって焦って復習してきた羅生門を頭の中で何度も繰り返した。
彼の名前は獄寺隼人。
イタリア生まれの所謂帰国子女ってやつで銀色の髪に碧色の瞳、外見は男の俺でもドキっとしてしまう程綺麗で女の子にとてももてる。
(なのに何で俺なんだよ〜!?)
成り行きで付き合い始めてから、獄寺くんは毎朝俺を迎えに来てくれている。
本人曰く、この命は十代目の為に!何があってもお守りいたします!…だそうだ。
しかし、獄寺くんが来てからいつも絡んでくる不良の方々に絡まれなくなったのは事実で、ちょっとラッキーなんて思ってたりしたりしなかったり。
「おっ!獄寺!…と、ツナもおはよ〜!」
「ゲッ!またてめぇか!?」
「…おはよう、山本。」
ねぇ、俺今凄いついでじゃなかった?気のせいだよね?
彼は山本武。
怪我をして大好きな野球が出来なくなってしまったという理由で屋上から飛び降りようとした、ちょっと危険な思考の持ち主。
ひょんな事からそれを助けてしまいこうして友達となった。
俺にとっては初めての友達で、その日の夜は嬉しくて眠れなかった。
それなのに…
「獄寺は今日も可愛いのな〜。」
「うっせぇ、黙れ、むしろ消えろ。」
「照れてんのか?可愛いのな!」
「果てやがれ!!!」
ドカーンと大きな音をたてたのは獄寺くんがダイナマイトを山本に投げたからで。
外国って、何でもあるんだな〜…
俺は二人の親友(一人は自称恋人だが)を見つめて現実から逃げたくなった。
神様、どうか俺に普通の友達をください。
こうして俺の日常は少しずつ壊れていった。