大好き!先生!!
□四時間目「美術」
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ゆっくりと体を起こす。
白髪頭の青年は気だるそうに此方に目を見やった。
ア「あんた…誰だ?」
開「お、お前こそ…何やってんだ。生徒だろう?授業は出ないのか」
あれ?
ひょっとして、コイツが?
ア「…教師か?」
開「そうだ。お前はアカギだろ?俺は担任の伊藤開司」
ア「ふーん…」
いかにも興味の無さそうな声に苛つきつつ、落ち着きを保ちながら喋る。
開「さ、行くぞ」
ア「行く?何をしに?」
開「はあ?」
すっとんきょうな質問に思わず、声が上がってしまう。
開「何って…授業を受けにだよ」
ア「どうして授業を受けるの?」
開「…勉強をするためだ……」
ア「何のために?」
どんな答えを待っている?何を言わせたい?
そろそろ苛つきを抑えるのも疲れてきてしまった。
開「………正直、勉強なんてする必要ねーよ」
ア「……?」
開「そりゃ、勉強をすればいい学校にだって入れるし、給料のいい就職先に就けるだろうな。でも…」
ア「…でも…?」
開「俺は思うんだ。そういう“型”に填まった世界は勝ちではない。そんな“型”では淘汰されるべき人間は淘汰され、敗けだと罵られるだろうけど、俺は絶対に填まらない。填まったら敗けだ!!」
ア「…じゃあどうして教師を……している?」
あ、初めて目を合わせてきた。
なんか……嬉しいと思う。
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