大好き!先生!!

□六時間目「古典」
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開「…よし、行くか!」





授業終了のチャイムが鳴り響く。さっさと片付けを始めて鞄を持つ。

今日こそ彼を説得するために……。




―――――





下校時間だからだろう。
生徒たちが忙しなく校門を出ていく。
自分も校門を出ようとしたとき…




ア「あれ?開司先生じゃない」


開「あ!アカギ…」




見知った顔の白髪、アカギだった。
最近は“俺”の授業に出てくれるようになったのだが…




開「お前、他の先生の授業に出てないらしいじゃないか」


ア「言ったでしょ?アンタの授業には出てもいいって」


開「お前なあっ!」




ハッ!と思い出す。こんなことしてる場合じゃなかった。
早くに寮に向かいたかったのでアカギに別れを告げようとする。




開「ちょっと俺、急いでるから!」


ア「あらら。つれないな。どこに行くの?」


開「いや、寮にな…」


ア「なら俺も行くよ。俺も寮生活だし」





そうなのか。ならいいか、と思った。だが……





開「いつまで着いてくるつもりだ?」


ア「別にいいじゃない。俺も興味あるんだ。引きこもりの考え」




自分だってサボりだろうが。
そんなツッコミはよくて、早速インターホンを押す。

…入れてくれるだろうか。




開「伊藤!俺だ。開けてくれ。もう一度話がしたい!」


ア「…」





呼び掛けてみるが、やはり応答はない。
やっぱ、ああ言われては駄目だよな。







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