大好き!先生!!

□九時間目「化学」
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ばたばた…




カ「やっべえ!寝過ぎた!」





急いで支度をこなす。文字通り寝坊である。
やっと時間に慣れてきたと思ったらこの様だ。
最悪。そういえば、アカギの迎えがなかったのだろうか。
インターホンは聞こえなかったと思う。先に行ったんだろう。
待つはずないのは決まってるけど。








勢いよく玄関を開けると何かがひっかかった手応え。扉は重くて訳がわからず少し開いた隙間から外を覗くと、黒い服に白い髪…





カ「あ!アカギ!?」






――――――――





ア「迎えに来て待ってたら寝ちゃってたみたい」


カ「何やってんだよ!寝る奴があるか」






自分のことなのに可笑しいらしく、クスクス笑うアカギ。
あの後急いで学校に走った。当然だけど二人して遅刻。先生にこってりお説教された。





カ「迎えに来たんだったら起こしてくれりゃ良かったんだ!」


ア「うん。ごめんね」






変な奴。
お前は悪くないのにさ。
俺なんか待たずに行けば良かったのに。
俺が悪いんだよ。バーカ。





二時限目の移動教室に間に合ったので用意をして教室を出た。
アカギの姿はなくて、誰も残っていなかったから仕方なく鍵を閉めた。




カ(学級委員はまだ決まってねえし、仕方ないか…)



委員会は午後で決めるって言ってたような。
廊下の曲がり角にさしかかったとき、俺は向こうから近づく気配に気が付かなかった。





カ「うわ!?」


「キャッ!」






前からきた人にぶつかって後ろに倒れる。
それは相手側も同じで、しかも声からして女子だ。
先に起き上がって声をかけてやる。
女子は苦手だが、これくらいはしてやらないと後が面倒なのだ。





カ「だ、大丈夫か…?」


「いたたた…腰抜けちゃって立てない、ぞ!」





顔を上げた女子の顔を見てギョッとしてしまった。
知り合いとかそんなのではなく…ただ、危険な気がしたのだ。
その女子も俺の顔を凝視したまま固まってしまう。





カ「え…と…」


「わわわ!で、出会っちゃった!」


カ「は……?」


「運命だわ!やだ!」






とかなんとか言い出して赤面していやいやと首を振る。
や、ヤバイ……逃げなくちゃ……。





カ「じゃ、じゃあ…俺行くわ…」


「待って!立てないの!手を貸して?」





マズイ。
マズイマズイ!
変なのにひっかかった。
とはいえ、ほっておく訳にもいかないので手を差し出してやる。恐る恐る。





「ありがとう…!坂崎美心です…!あなたは?」


カ「……い、伊藤…カイジ……」


美「カイジくん…これからヨロシクして欲しいぞ☆」




俺はして欲しくないぞ☆








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