Novel

□あったかごはん
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※Attention※

これはル ー ツさんの「しゃべる! D Sお 料 理 ナビ  実 況 プレ イするぜ」のpart10をまるっとパクッたお話です。
会話ばっかりなアホ話。
大丈夫な方のみどうぞ!



「かーつや!これ買ってきた!」

上機嫌な本多が手に持っているのはゲーム機。
電源を付けると明るいパステルカラーな画面が映し出された。

「お料理ナビ…?」

「そう!これでもうカレーしか作れないみたいなイメージとはおさらばだ!」

「あっ、カレー以外にも作れたの?」

「……………」

「冗談だよ。で、今日は何を作るつもりなの?」

「…お、おぉ。今日はから揚げだ!材料はそろってるぜ」

そう言って冷蔵庫から取り出したのは鶏肉や細ねぎや醤油や塩など、あと何故か発泡酒。
飲酒しながら料理するのだろうかと疑問に思いながらも調理を開始した。

『デハ先ズ、ネギヲブツ切リニシテ下サイ』

「よし、まずは細ねぎを切るぞ」

「ぶつ切りだって。本多ぶつ切りってどんなか知ってる?」

「おい馬鹿にすんなよ」

ざくっと軽快な音を立てて切ったネギはきれいに3等分になっていた。

「はい終わり」

「ぶつ切りって!ぶつっとしすぎでしょ!」

「いいんだよ別に。加藤先生だってそういってるだろ?」

「あ、このナビしてる人加藤先生っていうんだ…」

「いや?今テキトーにつけた」

「…………」

「ほら、次はボウルに鶏肉を入れるんだと。そこのボウル取ってくれ」

克哉がボウルを手に取って本多に手渡すと豪快に鶏肉を入れた。
加藤先生(命名:本多)曰く、鶏肉に醤油を小さじ4だけ入れるらしい。

「めんどくさいから目分量で」

「そんなテキトーな…」

目分量と称して本多が入れた醤油の量はざっと大さじ3は入っているのではないかと言う量で。
市販の醤油のボトルから注いでいるせいで細かい調節もきかず、ドボドボと中に注がれた。

「入れすぎだよ馬鹿!小さじ4だって小さじ…小さじ…」

「ハイハイ次は酒!」

「まさかお前…さっき取り出した発泡酒入れる気じゃ…」

当然だろうと言う顔で発泡酒のふたを開けて鶏肉と混ざったそれはシュワシュワと音を立てていた。
克哉はもう呆れ顔で、これを食べる時が来ることにただただ怯えた。
その後は割と順調で、生姜やにんにくを加え、香りだけなら期待できる味付けが終了した。

「よし、これであとは汁気を取って片栗粉にインして揚げるだけだと」

「あ、ごめん本多。ちょっとトイレ貸して」

「おう」

克哉がトイレに消えた後、加藤先生からの指示でキッチンペーパーで汁けを取ろうとしたが、そのキッチンペーパーが見当たらない。

「しまった…切らしてたんだった…あー、まあこれで代用でいいか…」

本多の片手に握られていたのが新聞紙だとは、克哉は知る由もない。

「本多、今もどっ…ってなにそれ!びちょびちょじゃん!」

「びちょびちょにしてるんだよ。汁気取らなきゃだろ」

「…じゃなくてなんで新聞紙なんだよ!明日おなか壊したら本多のせいだからな!」

「だーいじょうぶだって!お前をそんな軟な奴に育てた覚えはねえぜ」

「育てられてないからね!マジでもう…ああ…新聞紙で丸められるとただの生ゴミみたいだ…」

「失礼な!」

「…もうさっさと次行けよ。片栗粉まぶすんだって。はい皿」

「おうサンキュ。うわー片栗粉ってなかなか出てこないな…」

「まあサラサラしてるものではないよね。わあ、片栗粉が暴れてる…」

「よし、こんなもんでいいだろ」

『コレデ下ゴシラエノ終ワリデス』

「だって。イエェエエイ!」

「なんでそんなテンション高いの…」

「次は油を160度に熱するらしいぜ」

「結構時間かかりそうだね。箸を入れて泡が出るのが160度の現象らしいよ」

「あっ、もう出る。じゃあ入れるぜ!」

Foooo!と謎の声を発しながら肉を入れるが思ったよりも静かでテンションが下がったのは言うまでもない。
ナビにキッチンタイマーもついていて、揚げ終わってさあ食べようという時に加藤先生から「二度揚ゲシテ下サイ」の指示が出た。

「くっそーなんて焦らしプレイ…!」

「いいからさっさと揚げて」

「は、はい…すごい音だな。地獄ぞこれは」

「あ、揚げたあとはキッチンペーパーを敷いたボウルに入れるんだって」

「ないから新聞紙」

「はいはいはい」

「よしっ!完成!!」

「うっわすごい疲れたなあ…」

『オ疲レ様デシタ』

「加藤先生…」

「克哉!加藤先生はいいから食べようぜ!」

「ああ、うん」

出来立てのから揚げを口にした二人の感想は全く同じものだった。


「……味薄…」


fin.
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