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□最終決戦のバカップル
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バカップル注意(笑)



誰か……誰かボクを救ってください…!!
このままだと、死んでしまいます。







──このピンク色の空気で窒息して……。






ハートが飛んでいる。比喩ではない。彼らには本当に見えている。
見えていないのは当事者くらいだろうか。いや見えてるか……?

何もない草原の中、周りの目を気にせずにいちゃこらしている二人は、完全に自分たちの世界に入り込んでいる。


きっと誰かが思ったであろう。
『コイツラ、絶対俺(私)たちの存在忘れてる』

『あれ?ていうか旅の途中だよね?ラスボス倒しに行かなきゃいけませんよね?』


だが決して誰も口を開かない。何かを言えば逆に天然バカップルに流され帰っては来れない……。


過去全員が体験済みなのだ。


こんなことなら早くラスボス倒して勝手にしてくれ……って感じだが……。前に進めないのでそれも叶わず。ぶっちゃけ置いていきたいのは山々だけど、主人公とヒロインいないまま終わらすっていうのは……。


「ぜ、ゼロス…あれなんとかしてよ」
「ムリムリ。俺様二度も死にたくないし……。んなこと言うならチビッ子!!お前の幼なじみだろ?なんとかしやがれ」
「はあ!?ボクはもう二回も突撃したんだよ!!……ねっ姉さんなら行けるよ!!」
「残念ながら私でもあの二人は疲れるから嫌ね」


と、いつもの不毛な戦いが始まる。

結局順番になるのだが……。行きたくないのは皆同じなのだ。



「……前回は…確かしいなだったかな?」
「はい。なので今回は……ゼロス君ではないでしょうか?」

「げぇっ!?俺様なのかよ!!」
「仕方ないだろ!?順番なんだからね」


はいはい……とゼロスが死にそうな顔で戦地へと赴く。
その様子を離れた所で見守るその他。






─数分後─


「よし、みんな〜しゅっぱ〜つ!!」

げっそりとした顔のゼロスをロイド……ではなく、コレットがニッコリとしながら引きずって来たのを、蒼い顔で見る五人が同時に溜め息をついた。

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