シナリオ部屋
□ゴースト ~1~
1ページ/9ページ
雨が、真夜中の空を包んで行く。
1月になり、夜は特に冷えるようになった。
「…もう寝なきゃな」
冷えきった自室でポツリと呟いたのは、櫻井翔という名の大学3年生。
明日の授業の準備をして、眠りに付こうとしていた。
―…その時だった。
ガシャァァアン!!
「!!?」
凄まじい音がした。
まるで雷でも落ちたかのような。
そしてその音が聞こえたのは、櫻井の家の玄関の辺りからだった。
「…何だ?こんな夜中に」
櫻井は不安と恐怖でいっぱいだったが、とにかく玄関へと駆け出した。
その音の正体を確かめるために。