とある魔術の夢小説
□夏休み
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当麻「ふーっやっと夏休みだな」
と一人の少年は歩きながらぽつりと呟いた。
しかし少年の顔はあまり嬉しそうには見えなかった。
というのも、少年には補習という名の地獄が待っているからである。
当麻「補習か…てか俺のこの右手がある限りレベルがあがる訳ねーじゃねーかっ」
と、少年は自分の右手を見つめながら叫んだ。
そう、この少年、上条当麻の右手には幻想殺し(イマジンブレイカー)と呼ばれる力が宿っているのである。
幻想殺しは、それが異能な力なら超能力だろうが魔術だろうが触れただけで全てを打ち消してしまう。
神の恩恵さえも幻想殺しのまえでは意味をなさないのだ。
そのため当麻は万年無能力者(レベル0)で補習の常習者なのだ。
当麻「くそっ、こうなったらやけ飲みしてやる」
と、当麻は近くにあった自動販売機に猛ダッシュで走っていった。
自動販売機の前に立つと、当麻は財布を取り出して中身を確認した。
財布には千円札が一枚と十円玉が数枚だけ入っていた。
当麻は少し固まっていたがすぐに意を決し千円札を取り出して自動販売機に投入すると自動販売機のボタンが赤く点灯した。
当麻は缶ジュースのラインナップを少し見た後、ヤシの実サイダーのボタンを押した。
ゴトン…という音は鳴らなかった。
当麻は一瞬、一体何が起きたのか理解する事が出来なかったが、すぐに缶ジュースが出て来なかったのだと気づいた。