小物
□思い出
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お盆小説
くく竹、にしたかった
「はちー、水の近くに行っちゃだめよー??」
「はーーーーーい!!!」
今日は祖父母の家に夏休みを利用して来ていた。
夏だから暑いし、水遊びをしたくなるのだが、大人からは水辺に行くなと頑なに言われている。
まだ5才だった俺にはその理由なんかわかるはずがなかったのだが、怒られるのが嫌だったので、わかる限りの水辺には近づかないようにした。
その日は、白いタンクトップに藍色の短パン、麦わら帽子に虫カゴと虫網を持って、俺は森の中を探検していた。
「待てー!!」
虫網を振り回しながら、俺は一匹の蝶々を追いかけ回していた。
そうだなー、俺のなかでこの出来事は、俺にとっての一番不思議な出来事で、一番記憶に残る出来事だなー・・・
「・・・あれ?あれって・・・」
追いかけていた蝶を見失ったので、俺は冒険のつもりで森の中を歩くことにした。
その時に見かけた、髪の黒い、俺と同じくらいの少年がいた。
その隣には、髪の毛がボサボサで、少年よりも大きいのだが、二人の顔は逆光でその顔は見えなかった。
少しはその二人のことを気になってはいてが、空はもう赤く染まって来ていたので、俺は駆け足で家に帰ることにした。
家に帰っても、俺の中にはあの二人の楽しそうな顔を何度も思い出していた・・・
(なんで、俺、話かけなかったんだろう・・・・)
もちろん、夕方になっていたのもあったのだが、何故か、話しかけることが出来ない雰囲気だった。
あの二人を、邪魔してはいけな、そう思ったのだ。
「よし!今度は話しかけてみよう!!」
ここは祖父母の家だったので、仲の良い友達なんていないのだ、一緒に遊んでみたい!!
さて、明日の為に寝るか!!
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