□エミリー
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エミリー


エミリーの狂気に触れてみよう

君は完全なプッツン女
ずっとド田舎の家にこもりっぱなし
もう10年以上
架空の王国の物語なんて作っちゃって
ネクラにも程があるよ?
誰か言ってあげたほうがいいんじゃないかな
でもきっと君は耳を貸さないよね
意固地で偏屈で
気ばかり強いエミリー

君が新しく書いたラブストーリーを読んだよ
君に恋愛経験が全くないのはわかりきったこと
全部君の空想の産物
ありえない人物像
ありえない展開
君は現実の恋愛なんて何もわかっちゃいない
何も知らない
リアリティなんてかけらほどもない
くだらないよ
すっごくくだらない

君は小説ひとつしか残さず行ってしまった
可哀想なエミリー
君は悲しいなんて絶対思わなかったろうけど
僕は君の小説をもっと読みたかった
あの王国の物語を残してくれたら良かったのに
君の詩をもっと読みたかった
君のことをもっと知りたかった
君について手に入る情報はすべて手に入れた
だけどまだまだ足りないんだ
君は今でも不思議な人

君に初めて会ったとき
呪われるって思ったんだ
冗談なんかじゃないよ
マジメにね
君が強力すぎるから
僕はあれからずっと呪われたまま

可哀想なのは本当は僕のほう
君に呪われて
だけど君について知りうることはあまりに少なくて
もっと君の書いたものが読みたかった
一作でも世界中のすべての小説集めたよりすごかったけどさ
それだけにね

偉大なエミリー
本当に君ってすごく変人だよ

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