・間違えたのは、今か過去か・
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<新撰組・沖田総司>
「畜生...。」
「ん?どうしたんですか歳三さん。」
「口。...毎回言わせんな。」
「あははっ、すみません副長さん。悪気はないんですよ。」
...歳三さんが間違えたのは、
今?それとも...
「あーっ!」
「何だよ、急にでかい声出すな。」
「福屋さんで御饅頭買ってくるの忘れました!」
「...あ?」
「だーから、僕の大切な栄養源を忘れてんですってば。」
「こんな時に何を言ってやがるんだ。」
「良いじゃないですか、今日非番なんだから。」
僕は取れそうな鼻緒を丁寧につけ直し、
歳三さんの元を離れた。
「お、おい総司っ---」
「歳三さんは先に帰っててくださーい!」
...あんなに戸惑う歳三さんの顔、久々に見た。
とてもじゃないけれど副長なんて顔じゃないですよ、歳三さん。
あっ、ほら見えてきた。
そんな歳三さんに駆け寄る、一人の可愛らしい女子。
...あんな笑顔で微笑まれる歳三さん、
少し悔しい。
間違えたのは、今。
歳三さんでなく、僕だったのかもしれない。
今度こそ、君と、ね?
僕は楽しげに話している二人を遠目に眺めると、
いつもより、少しだけ多めに御饅頭を頼んだ---
・御題配布元→風花さま・