BOOK

□お菓子
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駄菓子屋に行って菓子を買って、食べながら帰路を歩く。
「言は買わなくて良かったのか、奢ってやったのに!」
「僕はいいよ、美味しそうに食べてる兄さん見てるだけで幸せだから♪」
そう笑顔で返された。
何だが、学校帰りにお菓子を買って食べ歩きながら帰る自分に段々恥ずかしさを覚えた。
隣の弟、言が余りにも大人っぽくて‥


后は脱力する。
「兄さん?」
「何でもない‥‥食うか?」
食べていたスティクタイプのチョコスナック菓子を言に差し出す。
「え‥、いいの‥」
「あ、食べかけじゃ悪いよな!」
ビニール袋から同じ新しい菓子を探そうとした后の手を止めて、言は差し出されていたスナック菓子を食べた。
「美味しいね、このお菓子。兄さんの味がして‥‥」
そしてそのまま后にキスをした。


同じチョコの味がする。


「こ、と‥い‥‥」
「やっぱり僕は、お菓子より兄さんの方が好きだな」
そう満足そうな笑顔で告げられ、后は照れながら答えた。





「買い食いは無しな‥」


言に食べられてしまう。
何もかも‥





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