BOOK

□花のように儚いのなら君の元へ飛んでいく
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何故、こーなったんだ‥。


顔に薄くだがナチュラルメイクを施され、身につけている衣服は女子が着る制服を着せられていた。
「俺っていっつも‥」
使われていない無人の教室に隠れながら后は頭を抱えて座り込む。
今、后は女子から逃げていた。
クラスの女子達とたわいもない勝負で負け半ば強引に罰ゲームとして着せられれば、「記念に写真を♪」と言う時に隙を見て逃げ出し、今に至る。
今頃女子達は后を探し回っているだろう、騒ぎが静まるまで暫く待機することにする。
「はぁー‥」
重たい溜息。
こんな格好の自分に情けなくなる。
誰にも見られたくはない。
晴明にも、甘雨にも、瑞宮にも‥言にも。
「あ、ヤベ!!今日‥言と買い物する約束してたんだっ!」
時刻は夕暮れ。
帰宅の時間――――帰ろうとしたら拉致られた。
待ち合わせ場所は学校の門前。
待ち合わせ時間は当に過ぎていた。
「言、心配して‥‥」
るだろうな‥と立ち上がり、様子を見るためドアを開けようとしたらタイミング良くドアが開けられた。


「兄さん?」


目の前には、言。
「な、なんで‥えっ?言!?」
「兄さんの気配なら何処に居ても分かるから―――それより兄さん、その格好どうしたの?」
「こ‥これは‥」
「可愛いね、凄く似合ってるよ」
嬉しそうに笑顔で言う言に、后は悲しくなった。
「嬉しくないぞ、言‥」
「え、なんで?本当の事なのに」
「あのな‥っ!!」
事の成り行きを説明しようとした后に、言はそっと后の口を手で塞いだ。
「人が来る」
そう言って后の手を掴み、教室内に隠れる。
言に抱きしめられながら身を隠していると、パタパタと廊下を複数走る音が聞こえて来た。
「天神、何処行っちゃったのかなぁ?」
「怒って帰っちゃったとか?」
「あの格好で?」
「きっと隠れてるんだよ、探し出して写真撮るんだから!!」
過ぎ去る中、女子の執念を聞いた気がした。
「暫く動けねーなぁ‥」
「そうだね、そんなカワイイ兄さんの姿‥他の奴らに見られたくないし!!」
「へ‥?」
「兄さんは僕のだ‥」
「言?」


「――――兄さん」
耳元で‥
良く響く低音が囁いた。


「ん‥っ」
くすぐったさに后は身をよじる。
「駄目だよ兄さん、逃がさない」
そう告げ、言は耳を甘噛みした。







「ァ、‥‥言、っ!!」
上がりそうになる声を手で塞ぎ、后は言を見る。
「大丈夫だよ兄さん、結界は張ってあるから‥それよりこの服は女子が着る制服だよね、どうして兄さんが着てるの?」
出来の良い弟は、兄の考えている事など三歩先まで知っているのではないかと錯覚してしまうくらい準備が早い。
后の胸元と大胆にあらわになった太腿を撫で上げながら尋ねてきた。
「ふ、ぁッ‥‥好き、で‥着てるわけじゃっ‥」
言の妖しくしなやかに動く手を掴みながら后は言う。
「分かってる‥無理やり着せられたんだね」
「んっ‥」
「でもダメだよ兄さん、兄さんの綺麗な足が大胆に露出してる服なんて‥危険過ぎる」
「ぁ‥っ!!」
后の下着の中の熱を帯び始めた自身に触れるとそのまま下着を下げて、言の手がやらしく動き始めた。
「僕も抑えが効かなくなっちゃうよ、兄さん」
「ふ、ぁッ‥、言っ‥!!」
止めさせようとする后の手を掴むと指先や掌に優しくキスをし、そのまま言の首筋に導かれた。
「僕も兄さんに触れて欲しいな」
「言‥?」
「僕は兄さん以外に触れて欲しくないから、僕を触れるのは兄さんだけなんだよ」
「‥‥‥」
「だから触れて僕を分かって‥」
「言‥」
「兄さん‥」
言の瞳とぶつかり、そのまま唇を塞がれた。
くちづけをされながら言の指が后の指先を器用に動かし誘導しながらネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外していく。
段々と現れてくる言の白く綺麗な首筋‥
そしてそのまま后に触れさせる。
触れた指先から言の熱を感じた。
「ん‥、ふ‥ぁッ!!」
飲み込め無くなった唾液が口の端から流れ、銀の糸を作る。
執拗に絡めてくる言の舌から逃れようとするが、逃がしてはくれない。
下半身の停止していた手が再び動き出す。
后の熱を高めていく。
「ンンッ‥!!」
身体の熱が一点に集まり始める。
それを言が導く。
羞恥に后は熱を放つのを耐えるが、自身の先から少量の熱が漏れ出し言の指先を濡らしていく。
ぬめりを帯びて、快楽が与えられる。
「んっ‥、ぁあッ!!」
言の指が后の後ろの蕾へと侵入してきた。
耐える后に言は更に刺激を与え、射精を促す。
「ふ、あぁ‥ンン―――!!!」
后の身体が大きくビクンと震えた後、言の手の中に后は熱を放っていた。


「―――兄さん」
クチュリと音を起てながら言は唇を放した。
「‥ん‥‥っ」
銀の糸が二人を繋ぐ。
「大丈夫?」
后の口端から零れた唾液を舐め上げ拭いながら、言はクスリと笑って訪ねてきた。
「大‥丈夫‥く、なぃ‥‥」
整わない息を吐きながら、后は弱々しく答えた。
「ごめんね、でも兄さんが可愛いから」
「あッ‥!!」
後ろの蕾に侵入していた言の指が増やされ、動き出した。
「許してね?」
と、悪戯っ子のような笑みを見せた。
「な‥んだよ‥それ‥、ワケ分かんなっ‥‥ふあぁ‥ぁ!!」
ビクンと后の身体が跳ねた。
「ココだよね」
「や、あぁ‥っ!!」
「兄さんのイイトコは‥‥」
耳元で囁かれ、そのまま舌を捩込まれた。
ピチャピチャと、いやらしい水音が脳内に直接響く。
「ふ、ぁぁっ‥!!」
中をバラバラに動きながらも一点を確実に突いてくる。
その度に后の身体は震え、甘い声が洩れる。
再び、熱が上がる。
「兄さん」
耳たぶを甘噛みされながら、囁かれた。
「こ‥とぃ‥ッ、‥‥」
「僕も兄さんの中に入りたいよ、ねぇ‥そろそろイイ?」
熱を帯びた言の低い声が后を襲う。
ゾワリとさせる欲を含んだ声。
支配される――――


「俺も‥言が‥‥ほし‥い」


「兄さん」
指を抜かれて解れた蕾に言の自身を宛がわれ、后の中に入ってきた。
「ひ、ああぁ‥!!ぁぁ‥」
体内で、言を感じる。
「兄さんのナカ‥気持ちいい」
「こ、とぃ‥ッ‥‥、ひゃっ!」
振動を与え、動き出す。
「兄さん‥兄さん」
「言っ‥ぁぁ‥ッ!!」
「兄さんが好きだよ‥愛してる」
「あぁ‥ッ‥俺も、!!好き‥好きだ‥‥」
「后‥兄さん」
「こ‥とぃ、言っ‥‥!!」
体内の言が段々と熱を帯び、太さを増す。


「兄さん」


グン――と一番奥を突かれた瞬間、后のナカの言が熱を放ったのを感じた。
「ふあ‥ぁぁ‥あ‥‥」
后は強く言にしがみつき、甘い声を上げながら自身からも同じ熱を放っていた。




「兄さんも‥僕を愛してる?」
「ん‥、当たり前だろ‥‥」
「ちゃんと聞きたいよ‥」
急に駄々っ子の様に甘えてくる言に、后は笑う。




「言が好き‥」
「うん」
「愛してるよ‥」


「うんっ、兄さん大好き!!」
「ぁッ――‥、ちょ‥言っ!?」
「嬉しくて、またしたくなっちゃった」
「待ってまだ無理っ‥‥あぁ!!」
「後の事は僕がしてあげるから、兄さんは心配しなくていいよ」
弟の恐いほど綺麗な笑顔が忘れられなかった。








散々、言の好きにされた后は言の瞬間移動により家に帰るとそのままお風呂場に直行。
お風呂でも弟の度の超えたスキンシップにあった。


「俺、借りた制服どーしたらいいかなぁ‥」
言に後ろから抱きしめられながら湯に浸かる后がポツリと呟いた。
「大丈夫だよ兄さん、ちゃんと返しておいたから」
「えっ、そーなの?」
「うん、まだ着たかった?」
「いや、もう着たくない!!」
「そう‥残念だな」
本当に残念そうにする言に、后は溜息を吐いた。
そんな后の髪の毛を弄りながら言は更に言葉を紡いだ。
「でも僕は着物の方が好きだよ、兄さんに今度プレゼントしてあげるね」
「女物とかならいらないからな!」
「凄いね兄さん、なんで分かったの?」
后はガックリと肩を落とした。


















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