リボーン

□『どうしましょう…』
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「大丈夫?黒鬼…。」

指がそっと離れ自分に話掛けて来る大人しそうな声。

壁と壁の間に出来た空間に二人は居た。

そして目の前には並森町に来たばかりで不慣れだった俺を助けてくれた人が居た。




『…凪?』

凪「うん、どうしたの黒鬼。追われてたの?」


『…今日…』


凪「バレンタインデー…だから…。」

『…はい。』


凪「………。」

凪は下にふき微妙な顔をして居た。


『凪?どうしたんですか?』


凪「……チョコ…。」

凪が恐る恐る片方だけ後ろにあった手を前に出す。
凪の手には可愛くラッピングされたハート型の箱。


『チョコ…ですか?』


凪「…うん、黒鬼…に……でもごめー」

『有り難う。』

黒鬼は笑顔で嬉しそうにお礼を言いチョコを受け取った。


凪「…え?」


『凪から貰ったチョコ…味わって食べさせて貰うよ。…嬉しいんです。』

凪とは似た境遇だから一緒に居れるだけで嬉しい。

凪の顔が赤く色付く。


『凪…。』

凪「?」

ふいてた凪は顔上げ黒鬼を見つめる。

『僕は…』


凪「う、うん。」

顔が赤くなり心拍数も上がる凪。




『凪が…』



ビアン「待ちなさいロメオォオ!!


凪「!」

上からの声に顔を上げると、住宅街の屋根を走って居る次期ボンゴレ十代目沢田綱吉が居た。

その後ろからビアンキさんが追いかけて居た。


鬼ごっこ?


無言で眺めて居たら綱吉君と目が合った。


危険信号



逃げようとしたら次期ボンゴレ十代目…沢田綱吉に強引に連れて行かれた。


俵担ぎにされて…

凪に言いたい事が有ったのですが…


オロオロしながら連れて行かれる黒鬼を見る凪。

『凪』

聞こえ無いだろうけど…






大好きだよ…。


周りには黒鬼が言った事は全然聞こえていなかった。
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