黒魂
□お花見
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朝方7時
布団からユックリと体を起こし、台所に向かい重箱を棚から取り出す黒波。
今日は花見をしようとハシャグ桂、しかしその言い出しっぺが居ないのは前に言っていた夜明けを見に行っているからだ。朝方5時頃にセカセカと支度し、黒月に跨がり騒ぐだけ騒いで行ったのだ。
低血圧の黒波にとってははた迷惑、仕方なく黙々と花見で食べる為のお弁当を作る。
三段有り、一段目にはおにぎり・二段目にはオカズ・三段目には蕎麦をいれていく。いないが桂の要望、溜め息をつき眠そうに黒波は作る。
そしてもう一つ、成長期の神楽の為に小さいかも知れないが二段弁当を作る。オマケみたいな感覚だ。
『・・・・・。』
アクビをし、作り終え・・・時計を見ると8時30時前だった。
桂「ただいま!」
『・・・・・お帰りなさいです。』
元気はつらつとする桂に対し、黒波は今にも寝てしまいそうな顔だった。
夜明けが見れて満足なのか笑顔な桂、溜め息を静かにする。お弁当に気づいた桂は更に表情を明るくしニコヤカになる、黒波は逆だが・・・。
桂「出掛けよう、黒波!さぁ着替えて行こうじゃないか!!」
『・・・・・はい。』
ハイテンションに付いて行けない黒波、桂の元気な声に耳を塞ぎたくなるも支度をモゾモゾと始める。
桂はご機嫌で庭にて朝の体操をしていた、ルンルンで準備体操を終わらせた桂はテレビを着け雨が降らないか天気予報をマジマジと見て一日中晴れと分かりニマニマしている。
黒波は黒い着物を着用し、回していた洗濯物を庭に干す。
干し終わると丁度お使いを頼んでいた黒羽が帰ってき、黒波の肩に着地した。
『ありがとうございます、黒羽。』
アーと控えめに鳴く黒羽、お使いは神楽に迄メモの付いたお弁当を届けてもらう事だった。
黒羽の首に常時掛かっているホワイトボードを見ると【ヨロんでた】と書かれていた、きっと神楽が喜んでいたと書きたかったのだろう。
『・・・・・お疲れ様です。』
黒羽にそう言い桂の元に行く黒波、桂は草履を履き行く気満々でいる。黒月を呼び、桂を後ろに乗せ股がり花見へと向かう。移動時、桂が弁当を持ってご機嫌で鼻歌を口ずさんでいたのは言うまでもない。
9時
『・・・・・。』
賑やかだった・・・・・だが、黒羽と黒月に怯えた人間や天人達が近くから退散し移動しやがて周囲が静かになった。
黒波にとっては好都合、そして桂はたいして気にして居らず桜木近くにシートをはり早くも弁当箱を開けに掛かっていた。
『・・・・・。』
桂「おぉ!これは旨そうだ!ん?ハハハ、蕎麦も有るではないか!!」
嬉しそうに早速蕎麦を啜る桂、普通は有るわけがない、蕎麦はそもそも弁当に入る食物ではないからだ。しかし蕎麦蕎麦と煩い桂の為湯がいた黒波。
『・・・・・。』
先程から騒がしい後方、チラリと見れば真選組と銀時が何やらやらかして居た。
出来れば関わりたくない、しかし帰るにも桂は花見をしながら蕎麦を啜り酒を飲んでノンケだ。
ならば酒で潰して黒月に運んで貰って帰ろう、黒波は酒を注ぐ。そんな事とは知らず桂はスマンなと笑顔で酒を飲み干していく、順調だ。
黒月と黒羽は生肉を食べている、黒波は酒を注ぎながら持参した和菓子を口にし後方を様子見する。
銀時「!おーい、黒波ー。」
『!』
桂「ブッ!!」
銀時にバレ、ヤバいと感じた黒波は桂に最終手段として酒を桂の口に注ぐ。急性アルコール中毒にならないように加減し、途中で口から離す。
桂はシートの上に倒れイビキをかく。
『黒月。』
眠ったのを確認し、黒月にIKEDAYAへ連れていくよう合図する。
桂を黒波が背負い上げ黒月の背に乗せ走らせた。
銀時「・・・・・。」
『Adiverci(さようなら).』
銀時「いやいや!!待て待てぇい!!」
シートやら弁当箱を片付け立ち去ろうとしたが止められた、真選組と関わりたくないと視線で訴える。
銀時「帰るなよ、付き合ってけって!」
『嫌です。』
銀時「まぁそう言うなよ。」
銀時に連れられ神楽達がいる花見場所に連れていかれると真選組がやはり居た、密かに溜め息を溢し真選組達を濁った目で見る黒波。
近藤「黒波さぁああぁあぁぁああん!!!」
着物の黒波、近藤は見た途端黒波の手を握り嬉しそうにし目を輝かす。しかし銀時が近藤から黒波を引き剥がし隣に連れ戻す。
銀時「うちの黒波ちゃんに触んじゃねーよ!ゴリラ菌が生えたらどうしてくれんだ?!」
近藤「 ゴリラ菌んんー?!!」
土方「チッ!とことんウゼェ奴だ。」
沖田「随分綺麗な方じゃねーですか、旦那。知り合いで?」
近藤「なんだと?!!」
銀時「だーれが教えるか!とにかく・・・・・俺達をどかしてーならブルドーザでも持ってこいよ。」
お妙「ハーゲンダッツ1ダース持ってこいよ。」
神楽「フライドチキンの皮持ってこいよ。」
定治「フシュー」
新八「案外お前ら簡単にうごくな。」
銀時「ほれ、黒波もなんとか言えよ。」
『・・・・・牛一頭を献上して下さい。』
新八「怖っ!!」
近藤達もだが引き気味となる新八、黒波は先に帰らせた桂を気にしていた。
土方「面白ぇ、幕府に逆らうか?今年は桜じゃなく血の舞う花見になりそーだな・・・」
『・・・』
一人口角を上げた黒波、血の舞う花見とは又素敵な文句で綺麗な眺めを拝める。最高な花見だ。
土方が刀に手をかけると急に待ったがかかる、かけたのは真選組の沖田だった。
沖田「堅気の皆さんがまったりこいてる場でチャンバラたぁ頂けねーや。ここは一つ、花見らしく決着つけましょーや。」
皆が一斉に沖田を見る。
沖田「第一回陣地争奪戦・・・叩いて被ってジャンケンポン大会ぃぃぃぃいいい!!」
銀時・土方・近藤・新八「花見関係ねーじゃん!!」
『・・・・・・』
つまらない。