黒魂

□下らない
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『・・・・・・』

銀時「えー・・・この子の保護者ですがー。お前は誰だぁ!?

新八「お前が何だぁああぁあぁぁああ?!!

真来「え・・・職場仲間ですが。は、え?黒波、この人保護者なの?随分ちゃらんぽらんなお父さんだな!」

神楽「銀ちゃんをなめんなヨ!!銀ちゃんがパピーだったら今頃黒波だってチャランポランの天パアル!!」

銀時「神楽ちゃぁあん?!!」

職場同僚の真来に連れられ来ていた珈琲専門店あさがお、静かにお茶したいと言う真来。一人は嫌だと黒波に奢るからと一緒に来たのだ、タイミングが悪い。

新八「あ、すみません。この人と黒波さんは昔からの知人ですので・・・・・・」

神楽「私の王子様アル。」

真来「この人達怖いよ?!

三人とも顔を歪ませ真来を見る、黒波は珈琲を皿に乗せ三人を見る。

『お茶しに?』

新八「ち、違います!あ、移動してる!!行きますよ銀さん!」

銀時「はぁ?!我が子(娘)を置いて行けるかぁあ!!」

新八「僕だって黒波さんとお話したいですよ!?けどこれも仕事ですからね?!!」

黒波に抱き付いてた銀時、真来にガン飛ばし走り去って行った三人。真来はハァと溜め息を付き甘くした珈琲を飲んだ、黒波を見れば煙草を吸いながら珈琲を飲んでいた。

真来「何で吸い出したんだよ?」

『・・・・・・さぁ?』

真来「ま、いっか。ゲーセン行こうぜ、せっかくの休みだからな!」

『・・・・・・』

会計を済ませ外に出る二人、真来について行けば大きなゲームセンターだ。
色々と置いて有り賑やかな様で、騒がしい。

真来「クッソ!取れねー!!」

縫いぐるみを懸命に取ろうとする真来、妹にへと頑張っている。
黒波はゲームセンターを見て回る、すると見覚えの有る人物が居た。

公子「あ!アンタ、元気そーね。」

『公子さん、buon jyoruno.』

公子「え、なに?何言ったの?」

『チャラ男さんとですか?』

公子「チャラ男じゃないから。そ、今トイレに行ってるわよ。マジヤバいってさ。」

腹下したのか?

公子「ねー。暇だからプリ撮らない?さっき行ったばっかだしさー。」

お尋ね者がプリクラとは勘弁だ、黒波は断るも公子が引っ張っていく。

公子「いーからいーから。盛るのよ。」

何を?

公子「良く撮れたわね!んじゃ、バイバーイ!」

無表情で写真が撮られる、公子に笑いなさいよと言われても無理がある。
プリクラを見れば公子は黒波に一枚渡しチャラ男と外に出掛けた。


『・・・・・・下らない。』

プリを見れば無表情の自分が写っていた、下らない。手に有ったプリを握り潰そうとすれば後ろから真来にすられる。

真来「要らないなら貰うからな。勿体ない事するよったく。」

どうやら一部始終を見てたらしく、二つの内一つを黒波に縫いぐるみを押し付けて来た。

真来「二つ取れたからやるよ、大切にしろな。」

『・・・・・・』

白いウサギの縫いぐるみだ、黒月の良い玩具になるだろう。

真来「・・・うん、よしよし!女っぽいぞ!」

満足感に浸る真来、黒波は縫いぐるみを脇に挟み真来に手を引かれる。
付いた場所は景色が綺麗な歩道橋。

真来「な、今日会った知人とはどんな関係だ?」

『・・・』

なんと言えば良いのか分からない、攘夷志士だった頃のなんて言える訳けない。

真来「・・・・・・お前本当に喋らないよなぁ。こう、キャーとか言わないよな。女の子だったら泣いて喜ぶぞ。」

『・・・親代わりみたいなもんです。』

真来「!・・・そっか。なー、又こうして遊ぼうな。俺は嫌いじゃない、黒波の事。寧ろ心配だなー、案外そそっかしいしな!」

『!・・・』

真来「あ。照れたか?!」

片手を取られた黒波、ニカッと笑った真来。その笑顔は攘夷戦争中の仲間がしていた顔。
戦いで苦戦していても子供だった黒波を笑って面倒見てくれた、仲間の笑顔がふとフラッシュバブル記憶となり思い出す。


優しかった、傷つけられもしたが・・・

お陰で心(感情)は壊れてしまったが、強さは手に入った。

真来「ハハッ!黒波、笑ったら綺麗だな!」

『・・・仕事中じゃない。』

真来「本音だコノヤロー!!」

『?・・・』

携帯が振動し、見てみればmadoreと出ており着信となっていた。

『すみません、帰ります。』

真来「お、おぅ。又な、ちゃんと出勤しろよ!」

『はい、善処します。では、ヌイグルミ有り難うございました。』

ペコリとお辞儀をし鳴る携帯を胸ポケットから取り出す、帰り道を辿りながら黒波は電話に出た。

『はい。』

桂「もしもーし、鬼辛黒波さんの携帯であってますか?あ、申し遅れました。私、鬼辛黒波の親をしてます。桂ー・・・」

『ちゃんと確認して電話はしてください、madore。』

桂「黒波!いつ帰ってくるんだ?お父さんは家出した我が子を待ってる気分だ!」

母さんになったり父さんになったり忙しいなと思った黒波。
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