リボーン

□『こんばんは。』
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イタリアに着くと外は真っ暗闇で深夜11時過ぎだった、しかし玄関先に誰かが出迎えてくれる。


マーモン「ムッ、お帰り。」

『!マーモンちゃん、ただいまです。』

赤裏「ただいまー!」

マーモン「ムギャ!いきなり抱き付かないでよ。金取るよ?」

赤裏「マーモンちゃん、はい!五円チョコ!」


マーモン「・・・・・仕方ないなぁ。」


マーモンに抱きついた赤裏、マーモンの発言を聞かず間髪入れず五円チョコの入った紙袋を差し出す。
マーモンはそれを溜め息つきながらも受け取り、赤裏に抱き締められたままだ。

レビィ「!お帰り!黒鬼!」

『こんばんは。』

レビィと握手をし中に入る黒鬼、レビィは顔を赤く染めながら後ろを嬉しそうに歩き黒鬼を見る。
先頭を歩くはルンルンなルッスーリアだ、赤裏も例外ではなく嬉しそうだ。

「よぉ!」

『?・・・ーっ!』



突如背中を蹴られ倒れる黒鬼、一瞬聞こえた声に振り向く暇も無く床を滑る。
ルッス達が後方を見ると灰色の癖っ毛をした髪の青年?がニヒルに口角をあげて立っていた。

マーモン「ムッ!大丈夫かい?!黒鬼!」

『いたた・・・ズボンと服破けました。』

ルッス「もう!服の心配してる場合じゃ無いでしょ!!」

ルッスに脇を抱えられ立ち上がらせて貰った黒鬼、確かに服に穴やかすり傷等がついてしまっていた。
痛かったのか眉が少し歪むも大事には至らなかったようだ、その場にいたルッス達五人は玄関にいた青年を見る。

レビィ「何者だ貴様ぁ!!」



「?よ、ねーちゃん!」

チャラチャラした格好をした青年、耳には銀や金の輪ピアス、首には赤いバンダナ・灰色の髪には金のピン止め・着崩れた肩出し服・腰パン長ボトムにチェーン。
つり目に濁った目・・・・・



赤裏「ね、ねーちゃん!?」

『はい?』

ルッス「黒鬼ちゃん!弟いたの?!」

『まさか。』

マーモン「ムッ、口から出任せじゃないかい?」

ルッスと赤裏が黒鬼を見て言う、マーモンは黒鬼の側で冷静?に呟く。レビィは武器を構え青年を睨む。


「出任せじゃねーよ!なぁ、ねーちゃん?」

『・・・・・何方様でしょうか?』

「はぁ?!!」

マーモン「・・・・・君は何者なんだい?黒鬼の親戚かなにかかい?」

冷静に問うマーモンの台詞に、青年はムッとした顔でルッスに支えられてる黒鬼を指差し言う。


「俺はねーちゃんのクローンだ。」









赤裏「!!まさか・・・俺達と一緒の施設で・・・・・」

レビィ「なんだと?!」

マーモン「ムッ、もしかして黒鬼の体から採った細胞で創られたんじゃ・・・」

ルッス「まさか本当にクローンなの?!」



「疑うなら採血でもしてくれたら良い、同じ血が流れてる筈だしな。」

『・・・・・。』

「なぁ、ねーちゃん。ねーちゃんが俺に付けた名前も覚えてねーのか?」

『はい?』

「そう、灰音だ。黒騎馬灰音。」








青年を放って輪になる五人、ヒソヒソと話し合いをしだす。



ルッス「ね!どーゆう事?!まるで黒鬼ちゃんに会った事があるみたいだけど!」

赤裏「分かんないよ!施設には色んな子もいたし実験室もあったし!!」

マーモン「けどあの人間が言ってる事が本当だったら?」

『ミーの細胞で弟が創られたって事ですよね?』

レビィ「そうなるな!」

「そうなるな、じゃなくてそうなんだよ!おっさん!」

レビィ「誰がおっさんだ!」

「アンタ以外に誰がいんだよバーカ。」

レビィ「己ぇ・・・黒鬼の弟でさえ無ければぁ!」

マーモン「・・・・・確かに。言われてみれば目が似てるね。」

赤裏「あ!本当だ、濁ってる。」



五人が青年の瞳を見ると確かに濁っていた、黒鬼もジーっと観察をする。

ルッス「けどソレが本当だったらなんで実の姉を蹴ったのよ?」

レビィ「そうだ!危うく傷物になる所だった!!」

「何だよ、別に・・・ねーちゃんが悪いんだろ!?俺以外の奴と歩いてるから!」

ルッス「え?!」

マーモン「ムッ?」



赤裏「うわぁ・・・」


『マジですか。』

「ねーちゃん、俺はねーちゃんのクローンだけど弟なんだよ!別に不思議じゃねーだろうが!!」

ルッス「ややこしいわね!」

「でだ、ねーちゃん。二人で暮らそうぜ。」

『?二人で・・・・・ですか?』

「そ、俺・・・記憶が無いんだ。唯一有ったのがねーちゃんと一緒に居た時と名前。やっと解放されたんだ!」

レビィ「誰がやるか!」

「は?黙ってな、おっさん!」


レビィ「またおっさんと言ったな!」

ルッス「まぁ落ち着きなさいよレビィ。」

武器を構え青年を睨むレビィは顔が引き吊っている、ルッスが羽交い締めにしなんとか食い止める。

「ねーちゃん。一緒に思い出作ろうぜ!俺の唯一の家族なんだからよ。」

『・・・・・家族・・・。』

赤裏「・・・・・。」

孤児院や施設で育った二人からしたらズシリと重みを感じる言葉だった、青年は嬉しそうに黒鬼をみる。


『・・・・・名前、は・・・何ですか?』


「!・・・・・灰音、黒騎馬灰音だよ。ねーちゃん!」

青年は黒鬼の元に行き手を取り合い笑った、マーモンは難しい顔をしその光景をみるのだった。


灰音「ねーちゃん。俺、ねーちゃん以外の家族なんて知らないんだ。」

『僕は棄てられました。』

灰音「記憶が無いんだ。」

『さぞ不便でしょう。』

灰音「腹減った。」

『ですね。』

灰音「ねーちゃん好きだぜ。」

『ありがとうございます。』


灰音「・・・・・会いたかった。」

『!』

ズルッと倒れた灰音、黒鬼が抱き止めるも重く潰れた。


赤裏「あーあ。」

ルッス「また大変になりそうね。」
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