リボーン
□『分裂?』
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『鬼百合、黒百合・・・』
目の前に居た懐かしい二匹。
すり寄って来て静かに大人しくしている。
懐かしい。
二匹を撫で懐かしい感触に目を細める黒鬼。
硬い鱗にスレンダーな尾。
二匹とも此所に、今いる。
「久しぶりですね、黒鬼。」
何も無い空間。
では無かった、目の前に独特に笑う赤と青色の瞳をした人間が現れた。
目の前の人間の瞳をボーッと見ながら誰だろうか?と思いながらも二つの目をみる。
「おやおや、思い出せないなんて。少し見ない間にお馬鹿さんになってしまったのですね。」
ただボーッと目の前に現れた人間を見る黒鬼。
やれやれとため息をつく人間、黒鬼に近づき、顔を両手で包むように優しく触れる。
『・・・・』
「その頭なら支配は容易いですね。」
クフフ・・・
『・・・・』
何の話だろうか?
それすらも考えれない。
「久しぶりに、暫く貴方の体を借りますね。」
『?』
「この世界で、この二匹と戯れてなさい。」
『・・・分裂?』