Hold on now !!
□Hold on now !! B
1ページ/14ページ
朝っぱらからピアノ練習室で運動をしたその後。
何やら御機嫌な龍雅と並んで教室へ向かう。
授業をサボらせるのは止めてくれと釘を刺すのを忘れない。
「ってか、俺を襲うな。相手なら他にいるだろ。ほら…屋上の…」
「何でそういう事言うかなぁ。俺は涼介に夢中なのにぃ」
散々乱れて、髪型も崩れちゃったんだろう。
手首にまいてあったゴムで前髪を結んでいる龍雅の目はギラギラしてる。
「…冗談だろ…勘弁してくれよ…」
「冗談じゃねぇ〜し」
そこで2時間目が始まるチャイムが聞こえてきた。
これ以上話していると、どんどんマズい方向にいきそうで、挨拶もそこそこに廊下を走りだす。
呼び止められたけど校舎も違う事だし、問答無用で別れてしまえ。
でもなぁ…結局、アドレス交換しちゃったんだよなぁ…。
現国の担当教師が教室に入って来る前にギリギリで席に着く。
「保健室に行ってるって事にしといたぞ」
「あ、ワリ。サンキュ」
内藤は学級委員長なんてしちゃう真面目君だけど、こうやって融通が効くから話してても肩が凝らない。
先生が論説文の素早い解釈の仕方について話している。
でも俺は、朝イチの激しい運動のせいで欠伸が止まらない。
龍雅よ…マジで勘弁してくれ…。