Hold on now !!
□Hold on now !! B
2ページ/14ページ
全力で瞼の総攻撃に対応しているうちに授業は終わってしまった。
1時間目どころか2時間目まで無駄にしちゃったじゃねぇかよ。
気合いを入れなおして、3時間目の英語の授業の為に教室移動する。
栄蘭学園は、文系・理数系・体専・芸術科とコースが分かれているだけで、成績順にクラスを細かく振り分けているというわけでもない。
元々、学力レベルの高い学校だし。
その代わり、1〜2年は数学と英語に関して成績上位者は別に集められて、特選クラスとして授業を行う。
そして、選択科目も移動。
3年になったら、受験科目や志望大学によって予備校のように教科ごとにクラスが別れて忙しくなるらしいのだが。
席に着いて予習したノートを見ていると、担当教師が入って来た。
外国の血が入っているのだろう。
ガタイがよく、彫も深い。
純日本人には嫌味にしか思えない男臭い色気を放つ英語教師。
そして、俺のクラスの副担任。
成瀬健人…あの教科研究棟で見たフシダラ教師だ。
まぁ俺がどうのこうのしたわけでもないし気にせず顔を上げると、成瀬と目が合った。
「うっ…」
何でニヤッと笑うかなぁ。
俺、悪い事なんてしてないのに目が泳いじゃったじゃね〜か。