Hold on now !!
□Hold on now !! C
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いつもは結構利用者が多い図書館も、GW前で数人しかいない。
寮生も実家に帰ったりするのだろう。
夜8時を過ぎ。
全てではないが、分からない単語も先に調べ終えたし、英語の課題は粗方終わった。
明日から休みだし、DVDでも借りに行って夜更ししようか。
鞄を手に持ち、足早に校門へ向かう。
「涼介、ハッケーン!」
「龍雅…」
「ハイ、連行で〜す」
俺の鞄を取り上げ、龍雅は走り出す。
モノジチはずるいだろ…。
呆気に取られ、すでに遅し。
あっという間に寮の方向へ角を曲がり、姿が見えなくなってしまった。
龍雅…足、はえぇって。
追いついたのは寮に着いてから。
龍雅は俺の鞄を勝手に探り、生徒手帳を寮監に見せているではないか。
膝に手をつき息を荒げている俺の腕を持ち、ズルズルと引きずっていく。
部屋に着くと、同室の笹本が迎えてくれた。
「あ、今晩は。泊まりですか?俺、今から部活の先輩の部屋で飲み会なんで、もしよければベッド使って下さい。どうせ明日の昼頃まで向うで雑魚寝ですから」
「あ〜、お気遣い痛み入ります」
また、このパターンなの?
「本日は涼介にTシャツをお返しシマース。Tバックは怒られると思ったので、御洒落ローライズを付けてみましたぁ」
「いらないって言ったのに」