Hold on now !!
□Hold on now !! E
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あの2人は、スネ毛が他より少し濃い程度で、裸でも清潔感がある。
メタボな腹とか、胸毛ボンバイエとか、髭がジョジョリーナってぐらい濃いとか。
脂ぎってるとか、ニキビ面とか、オタク丸出しでムフフとか。
そんなん相手にしろって言われても起たないだろう。
想像するだけで吐き気がする。
普段はまったく気にならなくても、セックスの相手となると無理だ。
視覚効果は大切だと思う。
中間テスト直前。
1週間目から部活動も休みとなり、学校全体がどことなく陰鬱な雰囲気を醸し出している。
放課後は教室を始め、食堂や図書館で勉強をしている生徒の姿をよく見かける。
俺もその中の1人で。
暗記モノの最終チェックをしようと、赤い下敷きを片手に図書館の自習室へ向かう。
やはり、いつもより混み合っていて、少しザワついている。
パネルで区切られた半個室で、ブツブツと答え合わせをする。
すると、そこに後ろから声がかかった。
振り向いた瞬間、唇を塞がれる。
「ん!!」
「イダッ!!…この学校で俺にチョップかます奴なんて涼介しかいねぇぞ」
千明がデコを押さえ、眉を下げている。
「先輩が悪いんでしょうが。天誅ですよ、天誅」
「はぁ…つか、千明だって言ってんだろ。ついでに敬語も止めろ」
この学校にチョップをかませる奴が居ないという大物に、敬語禁止令など…。