Hold on now !!

□Hold on now !! H
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「髪の毛の色が変わったから気付かなかったよ」

「いい色でしょ?夏の真っ赤なトマトを表現してみたんです」


トマト?夏の?

さすがにココまで綺麗に染まってるところを見ると、美容師にやってもらったんだろう。
ザンバラ頭も綺麗に整えられている。


しかし、髪を染めるのに『真っ赤な夏のトマト』とオーダーしてる人なんて見た事ないぞ?
キャラメルやらミルクチョコレートならわかるけど。


宮前に『お茶でも飲みませんか?』と談話室に誘われた。
後は帰るだけだしと了承する。


談話室は然程広くない。

入口がある壁以外の3面にくっつけるようにソファーが置いてあり、その前には丸いテーブルが何個か置いてある。
あとは入口の横に紙コップ式の自販機とマガジンラックが置いてあるだけだ。


自販機コーナーは別にあるし、これといって何があるわけでもない。
きっと来客があった生徒が使う為だけに存在する部屋なんだろう。

それを証拠に今も俺達2人しか居ない。


ソファーに鞄を置いて、ブレザーを脱ごうとしていると、宮前がコーヒーを奢ってくれると言う。


「いや、いいよ。自分で買うし」

「いえいえ、誘ったのは僕ですから。たったの100円ですし」

「あ〜…じゃあヨロシク。ちなみにブラック無糖で」


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