Hold on now !!

□Hold on now !! L
2ページ/28ページ


「何でしょうか?」


教卓の前まで行き成瀬を正面から見据えた。
俺の背中にはクラスメイトの視線が突き刺さっている。


「今日、楽しみだなぁ…」

「んなっ…そんな事ココで言わなくていいじゃないですか」


思わず教卓に両手をついて成瀬に顔を近づけ声をひそめる。

それがまずかった。


教卓の上の俺の手に成瀬の手が重なる。
指と指の間をなぞられるのだが…。

あぁぁぁ…いやらしい触り方ですこと。


「逃げんなよ?」

「……」


他の生徒には聞こえないような囁き声。
鼻を擽ったのはスパイシーでセクシーな香水の香り。

つか、日本人でこんな香水が似合う男なんていないぞ?

まったく憎らしい程のお色気男である。


だが、しかし。
俺は男なわけで。
そんな色気も嫌味にしか感じない。

おまけに脅迫されてるのだ。


自分の席に戻って、昨日の教科研究棟での光景を思い浮かべる。

成瀬と朝倉はガッツリ繋がっていらっしゃいましたが。
あれが成瀬を俺に変わるわけで…。

ヤバい…白目むきそうだ。


まぁ…俺が抱く側でいいって言うんだから、一安心?
いやいや…俺があの色男を抱くのか?

抱く抱かれるの問題じゃない。
完全に俺が食われるだろ。


今朝も空が青いよね…って、さっきも見たか。
アハハ。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ