コラボ1★
□夕飯の日
1ページ/2ページ
たまたまその日は絳攸、楸瑛が食材付きで邵可邸を訪れる「夕飯の日」であった。
燕青は用事があるといって出かけたころ、邵可邸の前で俥を降りた二人と馬を操っていた静蘭は「あるモノ」をみとめ瞠目する。
「あれは…」
「人、だよな」
「…ですね」
「静蘭、客人が来る予定でもあったのかな?」
楸瑛の問いに静蘭はかぶりを振った。リョーマはついさっき、静蘭が登城したあとに拾われたのだ、彼が知るはずがない。
「いえ、知りません。しかし…」
「出さないほうがいいだろうな。泥棒の可能性もある」
「中に秀麗殿がいるのに忍び込む泥棒がいるかねえ…」
まあ、一応捕まえとこうか、と言った楸瑛は前から、静蘭は周りこんで後ろからリョーマのほうに歩き出した。
その後、秀麗が三人を出迎えた時のこと。
「絳攸様、藍将軍、こんばんは。静蘭、お帰りなさい。あら、その子…」
「お嬢様、こい…いえこの男の子に見覚えはありますか?」
秀麗が見たのは(彼女に見えないところを)静蘭にきっちり掴まれてぶすくれたリョーマだった。