テニプリ短編夢小説
□今、この手で
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手に持った光るものに生暖かいものが伝う。
光を失えば失う程、それは私がリョーマを好きな証。
パタリと崩れる元私の友人。
そして、私の好きな人の元彼女。
もうあなたはいらない。
必要ない。
大丈夫よ?
あなたが溺愛したリョーマには私がいる。
あなたがいなくったって誰も困りはしない。
軽く脈を確かめる。
ゆっくりと音が聞こえなくなった瞬間、私は狂いだす。
ねぇリョーマ。
あなたが好きだったこの女はあなたが殺した。
バカよね。
アメリカに行って、その間に私が殺すなんて事すら、
あなたには考えつかなかったの?
きっとあなたは。
私に溺れる。
現実から夢へ連れて行って、
全て忘れさせてあげる。
リョーマは私を選ばなかった。
悪いけど私は、黙って身を引くような女じゃない。
あんたとあの女が欲情しているのを、
みていられるほど、お人好しじゃない。
今まで本性隠してきて良かったわ。
私は全て欲しい物を手に入れる。
誰にも邪魔させやしない。
それでもポトリと落ちたその水は。
…現実。