テニプリ短編夢小説
□君の光
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「嘘…。」
リョーマが死んだ。
そう聞いた時、私の中から一つの光が消えた。
まさか、こんなに早い別れが来るなんて、私に想像出来る訳がなかった。
「やだっ…。」
一方的に死ぬなんて。
勝手に私のいない所で死ぬなんて。
電話を掛けてきた桃の声がこだまする。
「越前が、交通事故で死んだ。」
あまりに淡々と桃が告げる。
「なんでそんなに冷静なの?!リョーマが死んだのに!」
あまりに冷たいと思った。
叫ぶ私に桃は言う。
「いずれ死ぬ運命だぜ?」
いずれ死ぬ。
分かってる。
それくらい分かってる。
それでも、
「先輩。」
そうぶっきらぼうに呼んでくれる人を失ったのに。
「桃は、冷たいね…。」
私は知った。
自分が死んで、人が泣いてくれるのは、
あまりに幸せすぎる事なんだって。
でも逆に。
泣いてくれないのは、
孤独すぎる事。