お題
□そうだよ。アンタをずっと待ってた。
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「雪……かぁ……。」
12月24日。リョーマの誕生日に雪は降った。
ずっとずっと忘れていた、この感触。
そうだ。リョーマを好きだと気づいたのも12月24日の雪だったっけ。
アメリカでは雪降ってるかな?
……降ってても、もう25日だね。
リョーマと別れて早5年。
もうあいつも18だ。
私は20になっちゃったし。あーあ……バカみたい。
別れた、と分かっていてもまだ好きで。
もう告げられることのない"好き"を待ってる私がいて。
同時にそう言ってくれるリョーマを待ってる私も。
そんな自分がとてつもなく嫌い。
はぁ、とため息をついて外へ出る。
「先輩。」
愛しい、キミの声。
振り向けば、リョーマがいた。
「リョーマ……??」
何で?どうして?もう別れたよね?
君はもう私の事好きじゃないはずなのに。
「先輩、待たせてすみませんでした。」
冷たいはずなのに、暖かい空気。
ああ、そうか。
「そうだよ。あんたをずっと待ってた。」
雪が降ってるから見えた、私の幻覚なんだ。
(雪の思い出は、君を好きになった証)
Title 確かに恋だった