長編(文)

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□ 見えない傷口 □


トイレに立つついでに政宗に渡された箱を開く。
“情報漏れていた”とだけ書かれた紙が中から現れた。

怒る夏月の髪を「sorry、sorry」と直す政宗。

能天気に夏月をからかう姿は楽しげだ。
情報が漏れたなら、昨日政宗は刺客に襲われたという事だ。


「夏月をからかうのにも飽きたし帰るか」
政宗が笑いながら言う。

「では途中まで送ります」
俺は政宗に声をかける。

「私、ちょっと寄るところあるから……夏月は先に帰ってくれるかな」
杏が言った。


「じゃぁ……夏月、俺は政宗様送るから帰り少し遅くなるって言っておいて」

「またtrouble(トラブル)起こすなよ」



「あっ、箱を返しします」
渡されていた箱を渡す。

一応、昨日から今日にかけて二人を見ていたつもりだが、怪しい動きはなかったと思う。


そのままを報告する。


「なんだって夏月にあんなに絡むんです?」
少し疑問に思い訪ねる。

「アイツ、感情がストレートで面白いからな」

政宗は割りと夏月を気に入ってるように思う。
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