恋物語

□1話
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「おー、学校とか久々。」
宝咲は一軒の学校の前で立ち止った。

(学生やり直すのもアリか)
じっと学校を見つめる。

「友達100人出来るかねぇ・・・」
宝咲が雪に包まれた桜の蕾を見つめる。

「転校生じゃなくて新1年生として入学すんのも悪くねぇ的な」
宝咲は再び学校を見つめ、ニヤリと笑った。







時は流れ、春になった。
「相変わらず、制服はキュークツ的な。」
宝咲は軽くため息をつき、ネクタイを緩める。

「あん時はアイツらのせいで学園生活らしいモン出来なかったけど、やり直してやるぜ。
学生を楽しんでやる。リア充できっかなー?」
宝咲は軽い朝食を済ませ、アパートを出た。







宝咲が入学したのは「マフィア」関係の子供や実力を持った子供の集まる私立の学園だった。
入学動機は簡単。

「悪魔が普通のガキ共と一緒なんて論外」

といった意味不明なプライド。

「んー?
オレっちはA組か。
キターーーーーー!『AAA』のA」
壁に貼られたクラス表を見て、テンションをアゲているバカ。

「友達100人出来るかねぇ・・・」
宝咲は少し小さくため息をつき、自分のクラスへ向かった。

「おはー」
軽く挨拶し、席につく。
「よっ♪お初だな。
オレっちの名前は宝咲。アンタは?」
隣にいた銀髪で切れ目の少年に声を掛けた。

「あ゛ぁ゛?」
少年は機嫌が悪いらしく、横目で宝咲を睨み付ける。

「機嫌悪そーだな。
せっかくの人生の門出じゃねぇか。楽しくやろーぜ。
ほら、笑えよ」
宝咲がニヘーっと笑う。

「・・・ロン毛に言われたくねぇ」
「ロンッ・・・」
少年に長い赤髪を指摘された。




 

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