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□君の全部が
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「神童はいいよな」
そう呟く霧野に対して神童はキョトンとなる。
「…どこがいいんだよ?」
「んー…。」
そうだなぁ…、と頬杖をつきながら考えているとふいに、「霧野、」と名前を呼ばれる。
「何だよ……?」
そう言いながら神童の方を振り向いた途端、唇に何か柔らかくて、あったかい感触があった。
「しん…どう……?」
蘭丸がパチパチと瞬きをして神童を見ていると、神童は蘭丸を上から覗きこむようにして見つめると両頬に手を添えながら囁く。
「俺は、霧野のにも、すごくいいとこあると思う。」
その言葉に霧野はさっきの行為を思い出したのか、ボッと顔を赤らめる。
(こ、こいつ…さっき俺に……。)
「キスしただけで照れるとことか。」
あぁ、そうだ。
キスだ。キスしたんだ。
そう考えると恥ずかしさのあまりか、ついつい俯いてしまう。
「俺は…、」
自分に触れている手に自らの手を重ね、まっすぐと相手を見る。
「神童のいいところ……、好きなところたくさんあるよ。数え切れないくらいにさ。」
そう言い切ると照れくさそうに霧野は笑うと、神童は少し照れると、
「…俺も、お前の好きなとこたくさんある。」
と、言いながら霧野の髪を優しく撫でる。
そんな君のいいところ。
大好きなところ全部が、
僕の気に入ってるところ。