杏子アフターストーリー

□食べることはいいこと
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杏子Side

あたしは佐倉杏子

キュゥべえとかいう変な小動物と契約をして魔法少女になった

キュゥべえと契約する変わりに願い事を一つ叶えてもらった

でも、その願いであたしは家族を失ってしまった

何もかも失ってしまったあたしはホテルに泊まりながら魔女を倒していた

金がなかったから食い物は盗んでいた

世界の後ろでみんなを助けてるんだからいいだろうと軽い気持ちで盗んでいた


そんなある日

街中を歩いていたらマツモトキヨ◯のポッキー二箱で100円という商品を見つけた

あたしはポッキーの目の前に立ちじーっと見つめた

これは安すぎる!物凄くお買い得じゃねえか!

と心で思っていた

があたしはお金を持っていない

いつも通りに盗もうとした

『・・・食べるかい?』

杏「・・・はぁ?」

後ろから声をかけられた

振り向くとその声の主は地元の男子高校生だった

顔一個分くらい高い身長でショートヘアの若干ツンツン気味でそこそこ顔は悪くない男だ

『よかったら食べるかい?』

男はポッキーと林檎が沢山入っている袋をあたしの前につきだした

杏「はぁ?」

心の中では喜びの感情が溢れていたが、顔に出さず、同じ言葉で返した


てかどんだけポッキーと林檎好きなんだよ

あたしも好きだけど・・・

『食べたいんだろ?』

と男は店のポッキーを指さした

こ、こいつ見てたのかよっ!

杏「・・・うん」

見られてことに恥ずかしくなったあたしは小さく頷くしかなかった

『だからほら、やるよ』

そう言い、男はあたしの手に無理矢理袋を持たせた

杏「こ、こんなにいらねえよ!」

『食べることはいいことだ』ニッコ

杏「〜っ!///」

いきなりそんな笑顔は反則だろっ!///

今、絶対あたしの顔紅くなってる

顔を 隠すようにあたしはうつむいた



「おっ、くーかいじゃねえか」

杏「・・・?」

男の後ろから違う男子高校生が叫んでる


『ん?・・・せきめか』

友達なのであろうか目の前にいる男は後ろを振り向いた


関「関根だ。これからゲーセン行かないか?」

『おう、いいぞ。と言うわけで責任持って食ってくれ。じゃあな』


?「お、おい!」

どういう訳だ!


『あ、お礼とかいいから』

いやいや、そういうことじゃなくて!・・・て走って行きやがった

てか人の話を聞け

関「くーかいくんは年下好きだったのか?」

『ちげーよ。くーかいじゃなくて───』

と会話をしながら男子高校生たちは行ってしまった


杏「・・・くーかい」

あいつはくーかいって言うのか

世の中にはいいやつも居るんだな・・・

「ママー!ポッキー買って」

「さっきお菓子買ったでしょ」

「ポッキーほしいー!」

杏「・・・」

後ろで親子が揉めていた

あたしは袋の中のポッキーを見た

杏「はい」

「え?」

あたしは袋の中のポッキーを一箱取り出し女の子と同じ目線になるようしゃがんでポッキーを差し出した

杏「くーかい?」ニコッ


また、あいつに会えるかな・・・



→あとがき
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