春望(オリ)

□言えない
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「望。かわいい」

「・・・へ?」

昔のことを思い出して、ぼーっと外を見てたら、いつのまにやら下校時間だった。
というか、なにあのかわいい発言
この低い声は・・・藤沢だな
「俺のどこが可愛いワケ?眼科行った方がいいんじゃない?」
「そうだな。お前を見て可愛いと思わなかった奴は、眼科行きだ。」
ってオイ。
「伊集院 望。お前、帰りは?」
なんでフルネーム?
「・・・えーっと・・・」
あ、そういえば社楽も同じクラスだったはず・・・!
偶然か、昔の3人がそろったな・・・
「俺、社楽と帰るから。」
「ふぅん?春樹とは帰らないんだな」
あっ・・・・・・
春樹とは帰りたいけど・・・
「帰りたいんだろう?言えばいいじゃないか」
「うるせー!いいんだよ別に!!」
だって、他のだれかと帰るだろうし。
女とかな?あー、あの成瀬とかと帰るのかもな・・・
「言い忘れていたが、社楽なら先に帰ったぞ。用事があるとか言って」
嘘だなソレ。
たぶん俺に気をきかせてくれたんだろうが・・・社楽め。
さて、一人で帰るしかないか・・・
藤沢なんかと一緒に帰ったら恐ろしいことになりそうで怖いし。
「伊集院 望。一人なら一緒に帰ろう」
「えええええええええ!!!!」
いや今の心の声聞いた?
帰りたくないっつってんだよ!!
「いいよ。心底遠慮しとく」
「何言ってんだ。お前に拒否権などハナからないぞ?」
「なっ・・・!!」
なんだこの上から目線!!
「誰がお前となんか!」
「行くぞ。望」
ぐいぐい手首を引っ張られる。
痛い痛い痛い!!
「ちょ、いた・・・!」
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